書物蔵

古本オモシロガリズム

伝法な石井富之助

このまえ友人に高円寺で分けてもらったもの。

石井 非常におもしろいのは、おれが決戦生活なんかを印刷して出していたからだろうと思うがね。その当時ね、図書館にね、四半期(三ヶ月)に紙の配給が五連(一連は五〇〇枚)あったよ。これは、あんたたいへんなことなんだよ。その当時、紙がね、四半期に五連、一年間に二〇円〔分〕くるっていうのはたいへんなことなんだ。あんなちびっちゃい図書館に五連で、市役所全部で二五連だよ。あまっちゃってね、ざら紙が。書棚の後ろの天井まで積んじゃったよ。そうすると印刷屋がやってきてね、またざら紙わけて下さいってね。

「戦時下の図書館:図書館員からみた銃後」『戦争と民衆』(15) p.1-8 (1985.2.15)