書物蔵

古本オモシロガリズム

法律違反をあへてした、ワルイ子のジュガク・ブンショーちゃん

先週、神保町で拾った『本の本』完揃いをつれづれに読まんとて、2巻11号をば風呂につかりながら読んだんだけれど…

  • 壽岳文章「わが『書物』の思い出」『本の本』2(11) p.6-9(1976.11)

いきなし、吹いた(≧∇≦)ノ

私が向日庵本〔寿岳の私家版〕作成に情熱をそそいた期間は、日本国政府が英語や英文学の学徒を国賊のように言いくたし、大学の英米文学科が次々ととりつぶされた時期にあたる。

と、私家版(向日庵本)を作っていた時代の困難をのべるのはいーんだけど(ご存知のとーり、敵性文化などと英学徒をいぢめたのは、われわれ庶民である。政府直営の学校では英語が禁じられてはいない)。

その間私は、こつこつと十数冊の限定本づくりに励み、熱心な読者に直接頒布した。

ほほぅ、なるへそ(・o・) それから

出版法の規定からすれば、内務省への納本が義務付けられていたけれど、私はあえて納本しなかった。

ギョエー(*ω*;)´´
あーびっくりした。納本(および届出)の義務を、わかっていながら遂行しなかった人が、秘密出版でもないのに自分で明言してんのハはじめて読んだよ。
もちろん、この文章は、<1970年代的に正しい>理論づけを直後になされている。

出版の自由を当然とする私の信条の、国家体制へのささやかな反抗である。

ホントかな(σ^〜^)ぁゃιぃ わちきの読みでは、この部分は後付けに読めてしまうが。だって、別に向日庵本は、エロ本でも主義本でもあるまいし、『紙漉村旅日記』の、戦時版のほうの序文、戦後版でなく戦時版の序文を知っているしなぁ。
むしろ、次のほうがホントっぽい(。・_・。)ノ

それに、国家権力の上にあぐらをかく内務官僚どもに、心血をそそいたわが手づくりの本を渡してたまるか、との気概もあった。

うん、この「気概」のほうなら、時代を超えてよくわかる。
むかーし、函つきの限定本が身包みはがされて裸となって国会に収蔵されとるのを知ったときには、――当時は愛書家だったので――あきれたもんよ(´▽`*)アハハ
昔から愛書家は「図書館流の改装」製本にがまんならなかったようですな。5年まへにも引いたけど(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20050606)『岡田温先生を囲んで』に…

宮坂 (略)むしろ甲(甲部)にあったものが全部だめなんですよ。
石黒 あれも製本して図書館流の改装をしたり妙な表紙をつけたり……。だからもとのままで,発行された当時の姿のままで保存されたということで,あの乙の制度というものもそういう点で怪我の功名的な……。

けど、これしゃべってる人たちって、実はみーんな国会図書館のおエライさんなんだよねぇ…(*´д`)ノ
常識論的にはヘンテコ…( ・ o ・ ;)
これをどーかんがえるかぢゃよ歴史や経営史を考えるということは(σ^〜^)
ん?(・ω・。)
出版法制史がいつのまにやら図書館史になってしもーた(^-^;)