書物蔵

古本オモシロガリズム

ん、副本?

ひそかに期待しとる、国文研の蔵書印DB。
これは基本的に前近代の書物の所蔵履歴を追うためのものなんだケド、もちろんそれら古典籍を所蔵する近代の人々や、近代の組織も這入っているのがミソ。
んで、このまへツイッターで、なんと我らが内務省の受入印(受入登録印)が登録されていたのを知った\(◎o◎)/!

蔵書印/出版広告 ‏@NIJL_collectors 2月5日
[蔵書印・覚書]かすれて「 内務省(□□出版)」としか読めなかったこの印 → http://base1.nijl.ac.jp/infolib/meta_pub/G0038791ZSI_34131 … 青裳堂書店古書目録「名家旧蔵本首扁」を見ていて「内務省(普通出版)」だと判明。ググれば書物蔵氏ブログにも言及ありhttp://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/touch/searchdiary?word=*%5B%BC%F5%C6%FE%B0%F5%5D

蔵書印/出版広告 ‏@NIJL_collectors
内務省文庫印」http://base1.nijl.ac.jp/infolib/meta_pub/G0038791ZSI_35326 … も気になっていたのだけど、併捺印「明治二十二年納本」 http://base1.nijl.ac.jp/~collectors_seal/L0033816.jpg … は、帝国図書館への納本って事か。納本印を捺したのは、内務省という理解でよいのだろうか…

https://twitter.com/NIJL_collectors/status/563410983490560000
この「内務省11.1.27(□□出版)」という印がおされている本は、阪大にあるという(大阪大学附属図書館・小野文庫)。

  • 横井也有肖像考 / 山田秋衛著 昭和十一年一月

で、わちきもオモシロがって、国会の帝国図書館本を見てみたが…

横井也有肖像考 : 附・也有翁隠棲址碑建設経過報告 / 山田秋衛 著 曽保津之舎
請求記号:684-233
受入登録印:「帝図/納本・昭和一一 二・四・」二重丸印
奥付:
昭十一年一月廿日印刷
昭十一年一月廿五日発行→ペンで縦線で「十廿」に「五」を消す。30日発行に。
その他:ナンバリングなし

ここからいくつかの仮説が提起できる。

国会本は内務省副本ではないのでは

国会本にある受入登録印が「内交」(内務省交付)でなく「納本」となっていること、また、内務省への法定納本2冊に内務省が押していたはずのナンバリングがない。これは国会本が、ほぼ同時期に受入があったのに、内務省から送られてきた内務省交付本では必ずしもないことを示唆する。
ナンバリングの意味については、内務省刊「図書日報」の発見と分析によってほぼ明らかになっとるが、帝国図書館受入登録印における「内交」でない「納本」の意味については議論の余地がある。
まだ考証不足なれど、内務省交付「内交」でも、文部省交付「文交」でもない本で、納本義務のない本が帝国図書館に出現したらどのような名目で受入登録印を押すのだらうといふ点が問題。
じつは「寄贈」という例がある。帝国内ではあったが「法域」のことなる朝鮮や台湾、そもそも帝国外の「満洲帝国」から日本語文献を帝国図書館が「寄贈」で集めていたのは、図書館史研究では割と有名な話(´・ω・)ノ
たとえばこれhttp://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1074677の4コマ目に二重丸印があって、「寄贈」とある。
国内から