書物蔵

古本オモシロガリズム

うーむ、日本主義図書館学の影響の仮説

きのふ、書籍年鑑S17の図書分類が日本主義になっているのを見て、

七郎タンってば、「メリケンに行きたい」「まだかまだか」と思ってたのに、戦争がおっぱじまって「これで(いけなくて)よかったんだ」と自分に言い聞かせるかのように図書館の日本的を書いたら、日本的分類は皇室を主類として先頭に、という、時代風潮からしてトーゼンな主張をひっぱりだしてしまい、それが、じつは書籍年鑑に結実してしまった、とゆーのは仮説ですが、ありそうな(σ^〜^)

と思ったが、書籍商組合版を見たらなんのことはない初期の頃から皇室が主類になってた(^-^;)

直後の追記

がっかり(´・ω・`)
と思ってたら、
ん?(・ω・。) 待てよ(゚∀゚ )
そもそも戦前の図書館分類は実態上、書誌分類のためにしか使われておらんから(といふのも、開架の普及率ほぼ0パーセント)、もともと書目を総覧するための出版年鑑とはきはめて(機能上、用途上)親和性が強いはずで、いまなんかよりもずっと図書館学内の分類論が販売書誌に与える影響は強かったはず。実際、1950〜70年代の出版年鑑はNDCべったりだし。
それに書籍商版は昭和14年版を最後に途絶しているから(ここいらへんの事情はどこに書いてあるだらう)、昭和15年、16年にかけては東京堂版しかなくなっていて、デファクト東京堂版のものになっていたわけである。それが改めて昭和17年に至り、皇室を主類かつ先頭とする分類になったのは、やはり、新機軸といってよく、ではなぜ、昭和17年なのかといふことになる。昭和17年版はおなじ年の上半期に編集が行われたはずで、まさしく昭和15年から16年にかけて隣接業界でおこなわれた図書館の日本性論争(実体は図書分類の日本性論争)を編集部が参照していた可能性は高い。
さらにまた重要な指標は、この、出文協が制定した書誌分類の末尾の主類の名称。「総記」というタームの出自や如何?
この「総記」の概念史が構築されれば、自動的にこたへはでるにちがひない!`・ω・´)o