書物蔵

古本オモシロガリズム

白ポストを愛でる昭和人のココロ

ウィキペディア白ポストの項目が昨年末になんだかヘンな項目名に変わってしまっておったので、はてなキーワードのほうに、ヘンな由縁を新聞のデータから立証してみた。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%F2%A5%DD%A5%B9%A5%C8
ってのは余技で。
その過程でオモシロいことが判った。

白ポストを愛でるわちき

ってーのは、白ポストの普及過程に関することではなくて、白ポストに対する世論(輿論?)の変化についてであーる。
白ポストの起源は、1966年5月24日に巣鴨駅の、それも出口に出現したのが嚆矢であろうというのは、ほぼ事実なわけであるが…(刮目して見よ上の画像を。割烹着に襷(タスキ)がけ! 昭和生まれなら涙がちょちょきれるであろう!)
時代は飛んで、索っと(サクっと)わかる新聞記事から判るのは、1990年代、白ポストは時代遅れの不要なもの、として言及されることが多いのに対して、2000年代の(つまり今の)記事では逆転し、むしろ、なつかしいものが「まだ、ある」という文脈で言及されているということ。
エロエロ画像がフリーアクセスなネット環境が達成された平成日本に於いて、白ポストは、完全にアナクロな存在であるとわちきは思うてをるし、そもそも、民衆の愚行権や、思想信条の自由から、んなもんを統制してはいかんし無意味とも思うてもをるのだが…
しかし、昭和のよすがとして、白ポストを愛でる気持ちもあるのであーる。
しかしのー。

日本語ウィキペがダメなのは、日本図書館のレファレンス・サービスがダメだから

(日本の)ウィキペディアの弱点がモロにでたのが項目「白ポスト」改め「モラルポスト」であることよ。
おそらく英米(および欧州)のウィキペは、こんなにむちゃくちゃにはなりえない。
だって、どんな図書館だって、フツーに新聞DBぐらい引けるはず。フツーに引ければ、白ポストの起源は不明だのなんだの、ってことにはなりえないし、編集合戦でさへ、結局はまともなほうが勝つはず。
日本ウィキペが頼りがたいものに終始しがちなのは、あまり指摘されてをらんけれども、実は結局、(公共)図書館のレファレンス・サービスが貧弱なこと(ここでは新聞DBを引けないということ)に起因する。
日本の(公共図書館の)レファは、
貧弱、貧弱ゥウ!!! と言いたくなるぢゃありませぬ乎。
嗚呼!

2014.8.26追記

しばらく前、ウィキペの「モラルポスト」は「白ポスト」に戻った。