書物蔵

古本オモシロガリズム

事物起源のレファレンス事典が必要です!(前略。日外アソシエーツさま江 1)

紀田順一郎先生の『名著の伝記』を読んだのは学生の頃だったか… レファ本(の歴史)にいささかなりとも興味を持つわちきであれバ、ここに新企画を樹てるなり。
日外アソシエーツさま! 新規企画のご提案です!

ニーズ

一番最初にナニナニ、はいつとか誰とか。よく聞かれますよね(o^ー')b
テレヴィジョン・プログラムでも、広告費減少による予算不足からか、雑学をひっぱってきて、タレントに適当にしゃべらせるとゆー、そんなお手軽番組があるし…。でも結局、それらのネタもとは図書でしかないような…
とゆーことで。

事物起源の横断索引(レファレンス事典)を創ったらいかかでせう(*´д`)ノ

日本全国の図書館だけでなく、一般市民にも売れるのではありますまいか。

創り方

とりあえず、ひろく事物起源に類する本を入手する。とりあえずNDL-OPACで検索。
NDC:031.4やら、NDLSH:事物起源で、150点ぐらいかな。
ほかにも、地方などの事物起源や戦前期のものをタイトルなどと掛け合わせて検索するともうちょっと増えるかな。
それらの中身をチェックし、
事物名+補足的表現(の発見・の発明)+(場所):年代:典拠資料記号
を抜書きする。
例えば

 機関車の走行(日本):186*年:12
 機関車の製造(日本):188*年:12
 ガラス窓(日本):170*年:12
 窓ガラスの製造(日本)明治中期:69
 びいどろの障子(日本):170*年:87
 鉄道(日本):189*年:12
 鉄道(沖縄):192*年:36
 市電(日本):188*年:12
 路面電車(岡山):190*年:34

などと。
ここでのキモは、事物名について、なるべく、本文中の表記形をそのまま採録するようにすること。バイトの人たちに、高度な概念操作をさせることはできないからね。
もちろん、旧字の新字化など、最低限の表記コントロールは最後の編集段階でやる。
データが集まったら、熟練者がそれらにNDCをフルでつける。
で、冊子の本体はこの完全NDC順の部分にする。

本文:NDC順
索引:項目名およびその分節化したものの五十音順

「びいどろの障子」と「ガラス窓」が概念上、近似であることは直感的にわかっても、ほんとに同じかどうかは仔細に検討しなければならないわけで。レファレンス(横断検索)辞典としては、それは分を超えるものになってしまう。

追記(2010.11.3)

ちょっと急いで書いたもんで。
要するに急所は、

1. 下手に概念操作をしない

ということ。事実認定も同様で、それは典拠文献にブン投げちゃう(ってか、レファレンス事典って、本質的にそういうものなんだけど)。
逆に概念操作をすればいくらでも「はじめて」は創ることができる。いちどわちきも拙ブログでやったけど(日本における移動図書館車の初めてを、移動図書館車は車(くるま)であればいいので、自転車でも可として、自動車によるもの(1948年)から一挙に1923年にしてみたり)。そのようなことには、なるべく関わらないほうがよい。

2. 本文の排列を分類順標目表みたいにする

そうはいっても、近似の概念が近くに排列されないと、使えないわけで。
で、イメージしたのは、NDCとかNDLCとかについていた別冊の「分類体系順件名標目表」。
もちろん、
気をつけないといけないのは、シソーラスのまねっこをして「階層構造標目表」をつくったり、関連語や上位語・下位語への参照をつけたりは、してはいけないこと。
日本語の場合、コストのわりには役に立たない、としかいいようがない。

残される論点

そうはいっても、問題は残って、とくに地域の大小の問題。
日本ではじめてでも、世界ではじめてとは限らないし。東京では明治初期でも、岡山県では大正期とか。岡山市では大正期にはじめてでも、倉敷市ではいまだにという事物もあろうし。
つまり、その事物の初めてがどの地点でということよりも、どの区域内での初めてなのかが以外と重要だったりもする。これをどうあつかうか。
扱い方は2つあって、採録対象のレベルとそのまま採用してしまう方向と、ぎゃくに地点だけを書き出してしまうという方向がありえる。
採録対象のレベルってーのは、たとえば、『明治事物起源』なら、日本レベルなので、みーんな日本にしてしまうというもの。岡山事物起源から採録したらその項目はみな「岡山(県)」にしちゃう。

絵葉書(日本):明治33:明事
絵葉書(世界):18**:世は
図書館(日本):明治5:明事
図書館(岡山):明治3*:岡事

逆に地点だけでやっちゃう手もあり。もちろん、東京府東京市麹町区○×町なんてのはコントロールできないから、たとえば国内は県で、海外は国ないし州にしちゃう。

絵葉書(東京):明治33:明事
絵葉書(ドイツ):18**:世は
図書館(東京):明治5:明事
図書館(岡山):明治3*:岡事

とりあえず地理的なものを、ちょうど件名標目の地理細目みたいに分節化したほうがいいかと思うんだけれど、分節化の仕方に工夫がいりますな(゜〜゜ )

追記(20101214)

即日帰郷!を申し渡されたりとぞ(´・ω・`)