書物蔵

古本オモシロガリズム

雑誌記事の見つけ方

忙しいのに逃避でこんなエントリを書いてみた。
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雑誌記事索引」(periodical index)についてまとめ
 ここでは、汎用性のある分野横断的な記事索引について紹介する。新聞記事の索引については一応、別のツールとして理解するほうがよい。分野限定的なものは、単行本の書誌なども一緒に収録して「主題書誌(専門書誌)」として刊行・公開されることが多い。

雑誌記事索引」 NDL-OPAC国立国会図書館蔵書検索・申込システム)経由

 【提供】国会図書館 【データ作成】同左
 【分野】全分野。特に人文系・社会科学系
 【特徴】老舗。固有名「雑誌記事索引」が一般名詞なのはおそらくそのせい。オンライン化し、複写申込みと連動したことで画期的に便利になった。ネット上に本文はないが、事前に利用登録しておくと、郵送複写(有料)の申込みがネット経由でできるようになる。一般誌から学術誌までひととおりのものがヒットする。ただし、2ページ以下の記事を採録しないなど、粗い採録になっている点に注意。一般には単行本を探すためのものと思われている「OPAC」画面からで検索画面へたどり着く。

雑誌記事索引集成データベース」【有料】(http://www.annex-net.jp/ks1/

 【提供】丸善(株) 【データ作成】(株)皓星社
 【分野】人文系・社会科学系。特に戦前期の記事を広範に収録する画期的な記事索引。
 【特徴】戦前期日本を研究するのに必須。試験公開していたもの(-2008.3)が有料制になった。個人では契約できないらしい。またデータ増加分については地方史研究などが期待される。戦前分のデータに対応する本(全124巻)が皓星社から出版されており、著者名だけならば戦前分だけネット上で無料で横断検索できる(http://www.libro-koseisha.co.jp/f_all.htm)。ヒットしたらその本(『明治・大正・昭和前期雑誌記事索引集成』)を所蔵する図書館まで見にいかないと記事情報がつかめない。

「占領期新聞・雑誌情報データベース」【登録制:無料】(http://prangedb.kicx.jp/login

 【提供】20世紀メディア研究所 【データ作成】同左
 【分野】人文系・社会科学系。ただし時期は占領期(1945-1949頃)。
 【特徴】戦争直後のことを研究するのに必須。極めて詳細に情報が採録されており、執筆者・発行人などの肩書きなどから戦争直後の人の動きまでわかる。最近、新聞記事情報も投入された。本文を見るにはプランゲ文庫のマイクロフィルムを所蔵している図書館に行く必要がある。

Fujisan.co.jp」(フジサン シーオー ジェーピー)(http://www.fujisan.co.jp/specificsearch.asp

 【提供】(株)富士山マガジンサービス 【データ作成】各出版社?
 【分野】全分野。流通誌全般だが、趣味や語学、アダルトまで収録する。
 【特徴】本来は雑誌の定期購読サイト。詳細検索で、「特定の号」を選択し「目次」欄からの検索が雑誌記事索引の機能にあたる。最新の話題・軟派なジャンルでは独壇場か。この先調査研究の手段として使えるかどうかはバックナンバーの目次データがどこまで保存されるかにかかっている。
  

「CiNii」(サイニイ;NII論文情報ナビゲータ)(http://ci.nii.ac.jp/

 【提供】国立情報学研究所 【データ作成】参加の学会や国会図書館など
 【分野】学術系 ただし一緒に国会の「雑誌記事索引」もヒットする。
 【特徴】学術系雑誌の一部で本文も見られる(一部有料)のが便利。単独で引いてもよいがNIIがやっている横断検索(GiNii;ジーニイ)を通じて引くほうが多いかも。一般人が見るような記事は結局、国会図書館などへコピーを頼むことになる。記事情報をつかんでgoogleなどで再検索すると版元でネット無料公開していることも。

「JDream II」(ジェイドリーム・ツー) 【有料】

 【提供】科学技術振興事業団 【データ作成】同左
 【分野】科学技術系 医学・薬学・化学系など 外国文献もあり
 【特徴】論文ごとに概要説明(抄録)がある。特に外国語文献に日本語の抄録が便利。一部、文系的な文献(例 図書館学)も拾われている。本文は結局図書館などで自分で見つけないといけない。