いちどならず2度までも、センスのなさをこきおろさせてもらった索引官僚さま(んなもん消えちまったとわかっててゆーのだが)。
それが担当しとる、国家財産たる「(国会図書館の)雑誌記事索引」、それも、データ内容について、(寡聞にして)はじめて論壇誌でとりあげられたので、じろじろじーと読んでみた。
牛田久美「国立国会図書館検索システムに開いた巨大な穴」『正論』(2007.5)p.316-323
前半は、交通事故(潜水艦と船舶)についての過去記事(S63なだしお、H12えひめ丸)を集める際の苦労話。『世界』とかの論文がワンサと見つかるのに、なぜだか右派・保守系の記事(具体的にはH8の小堀桂一郎氏)の書誌情報が「雑索」でヒットせず、
すわ焚書坑儒か〜というような雰囲気に(p.320)
正論編集部がなったというもの。筆者の頭には、船橋西図書館の例がうかんだそうな。
そこで国会へトチゲキ取材。
そしたらば…
ウヨサヨ???
なんのことはない、(小堀論文の)掲載誌が(国会雑索の)採録誌になったのが、最近(平成8年)のことだからという。
記者の確認した情報に、さらにわちきが情報を足しこんで一覧表にしてみませう。
NDL採録開始年 | 採録開始号 | 部数* | |
---|---|---|---|
『正論』 | 平成8年 | 287号から | 87000 |
『諸君』 | 昭和52年 | 創刊号から | 82000 |
『中央公論』 | 昭和23年 | 4号から | 40000 |
『Voice』 | 平成8年 | 223号から | 32000 |
『論座』 | 平成9年 | 31号から | 19000 |
『世界』 | 昭和23年 | 24号から | 10000? |
*『マガジンデータ2006』掲載の印刷部数順』と記事にある。
**記事によれば『世界』の部数は「非開示」とあるが、一説(wikipedia)によれば1万部台ではないかというのでそれに従う。端数切捨て。しかし、民主ゴコロに満々たはずの『世界』が情報を隠しとるとは… こーゆー二枚舌をやるから旧左翼の信用が落ちるのだのぅ…(*゜-゜)
この一覧によると、最小部数の『世界』記事が、もっとも多くも古いデータを擁していることになる。
なるへそ(゚〜゚ )
事実関係としては、なだしお事件の1988(昭和63)年当時は採録誌になっていなかったから出てこないというもの。別にウヨサヨの問題ではなかったそうな。
この穴を埋めるべく、採録誌をさかのぼって入力しないのか担当者に聞いた。
「日々届く新着のものをするので手いっぱい。(略)遡及入力は始まったばかりです。」
いきなり調立(ちょーりつ)のハナシ(・o・;)
で、話はなぜだかいきなり調査立法考査局のハナシになって、
と、税の二重投資(三重か)っぽいお題*1が出たあとで、それをある意味是認する立言がある。
なるへそ(゚〜゚ )
国立図書館の蔵書を使って、長期的な文献調査ができるところが決定的に違う、ということだね。いちおう、ハナシとしてはもとに戻ってますなぁ(・∀・`;)
応援記事… だったのかぁ?(・∀・)
記事の最後は、
(昭和20年代)当時、国会図書舘の設立こそは、民主主義政治の促進の礎石となると議員たちは信じていた。同じ国会議員が、いま、国会図書舘の定員を減らし、独立法人化を議論している。自らの「知」が崩れることに気付かずに。
と結ばれている。
これって、もしかして応援記事(゚∀゚ )アヒャ
などという輩がもしいれば、そいつぁよっぽどノーテンキ(*´д`)ノ
記事にきちんと書いてあるように、そもそもウヨサヨ問題のトチゲキ取材だったのだから、これはかなりアブナイもんであったのだなぁ(*゜-゜)遠い目
柔道の達人がいるですよ。
追記:「三つの調査部門が並立」について
国会図書舘の正史にこの件についての原初状態の記述があり。
国立国会図書舘に設けられた調査及び立法考査局は、この衆・参両議院の調査部を母胎としたものであり、前記の調査業務をほとんどそのまま受け継いで発足した。衆・参両議院の調査部職員はそのほとんどが〔国会図書〕館の職員となったが、その際、参議院調査部の職員は主として調査及び立法考査局に回った。
一方、調査及び立法考査局の設置によって、衆・参両議院の調査部は資料課に縮小された。
『国立国会図書館三十年史(本編)』p.48-49
なるへそ(゚〜゚ )
参議院調査部員が調立の局員になったというのはオモシロ。
で、結局んところ、資料課が調査局や調査室にまで拡張してきたというわけだね。この拡張の歴史は税の三重投資の歴史なのか*2、はたまた「大調査局」(って満鉄みたい(゚∀゚ )アヒャ)へ至る途なのか、分析できたらオモシロだろうなぁ。