金沢文圃閣さんからdaily-sumusさんに送られてきたをいう『文献継承』(10)。
それにわちきが「図書館史の空白―大東亜図書館学の復活?」なる駄文を載せてもらったのであるが。。。
ちょっと補足を。
この小論、要旨は、戦時図書館史入門文献の紹介なのである。基本文献をおもしろおかしく紹介してみたのだ。そこで紹介した図書群がこちら↓
(同時代のもの)
・田中菊雄『現代読書法』(昭17)
・堀内庸村『国民読書と図書群』(昭18)
・東田平治『わたくしの読書会経営』(昭18)
・阪本一郎『読書指導の研究』(昭19)
・稲村耕雄『研究と動員』(昭19)
(後世のもの)
・堂前貢『一教師の歩み』(昭62)
・杉森久英『大政翼賛会前後』(昭和63)
(戦時図書館史研究必携)
・『総力戦と文化』第2巻(大月書店2001)
実は戦時読書運動の研究をするには、これからはじめるのがキホンのキ。ってか、満読の設立も、その解散についても、この資料集の解説にきちんと書いてあるのであった。図書奉行タンの論文(2007)も、この解説がなければなかったし、大枠はこの解説でスケッチされていて、それに色を塗ったという感じ。
(図書館史必携)
・石井敦『簡約日本図書館先賢事典』(私家版1995)
・『図書館学関係文献目録集成』(金沢文圃閣2001-2002)
ちょっと一説を引用してみん。
で、戦時図書館本でわちきが推したいのは東田平治『わたくしの読書会経営』(昭18)ね。「田んぼから生まれたような」とあとで石川春江(のち国会図書館員)に評された東田さんの人柄がにじみ出るような本。昭和19年春、「満読」の擬似・図書館学校で「戦争に勝っても負けてもココロは正しく」と言ったら密告されて、「おまえは日本が負けると言っただろう」と特高にとっつかまったのだった(この話は戦後版にあり)。特高コワイですガクガク(((( ;゚Д゚)))ブルブル
こんな感じ。
ところでわちきの肩書きだけど、初稿では「元・某図書館司書のせどり師」となっとったんよ。これについては畏友がさわいでおったが…
ちょっとした仮説
あと、ちょっとした仮説が書いてある(戦時読書会=○○○説)。
図書館人のジタバタぶりも十分サマになってる。いまの苦境なんかまだまだ。だって相手は本物の軍人や特高、国粋主義者ですよ。国民読書運動だって、みんながファナティックな皇国思想本を本当に読んでたのかといえば…… それこそ実証的な研究を待つべき。
ひとつだけヒント。わちきが友人に当時の読書会の事例を回想録等から話したら何て言ったと思う? 「それって、結果として●●●では」(・o・)/ わちきも「う~ん、たしかに言われてみれば」(^-^;) どうやら●●●●が●●できる貴重な機会だったらしい。まこと歴史とは表裏があるのぅ。
この○○の部分は、『文献継承』を見るしかないですの。
『文献継承』はどうすれば見れるのかの?
見たい人は、どうすればいいのでせう、って、そりゃあもちろん、金沢ブンポさんに分けてもらえばいいんだけど、余部がなくなったら見られないんじゃないかって?!
そうそう。
こーゆーのこそ、あとで参照するるのに困るのだ。
で、こーいったものを参照できるかどうかで、参照サービス、つまりレファレンス・サービスをまじめにやろうとしているか否かがわかってしまう。