書物蔵

古本オモシロガリズム

【前代】図書館論争の予測【未聞】

日本図書館論争史一覧はわちきの創出なれど、まだ起きてない論争について予測するというのは、これまた日本初ではあるまいか!(゚∀゚ )アヒャ
こんな講演会が今月末にあるという。

ず・ぼん⑬』(ポット出版)刊行記念トークセッション
千代田図書館が目指すもの 〜『ず・ぼん』へ徹底反論!!」
柳与志夫(千代田区区民生活部副参事) × 沢辺均ポット出版
■2008年2月28日(木)19時より
http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk.html#20080228ikebukuro

とゆーことで、予測。

指定管理者論争(第2次)(2008)
  ず・ぼん(直営堅持)vs.千代田図書館(指定管理)

わくわくo(^-^)o
はてブ経由でポット出版のページを見ると、一つジュンク堂HPにないことが書いてあったりも。これはガチンコ勝負になるやも…(・∀・)
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.pot.co.jp/diary/archives/2008/01/21/995/
けど、これで思い出して、ひとつオモシロい論文を読んだよ… 1987年、昭和61年のもの。バブル期。高度成長は止まっちゃってたけど、デフレとか平成不況など考えられなかった時代。
いや、じつは今から十数年前、バブル最後期に一度、読んだおぼえがあったのだが。。。
柳与志夫、小泉 徹「公共図書館の経営形態:その課題と選択の可能性」『図書館研究シリーズ』(27) [1987.07] p37〜74
いろいろ論理的に正しいことが書いてあり、いまさらながら感心す。あのパッパラパーなバブル時代に、こんなに冷静な図書館経営論があったというのは不思議である*1
図書館がキチンとしたことをするには、経営権の確立(or自立)が最重要であって、それは必ずしも公立の下でなくともよいとか。
司書の専門職としての特性(守秘義務など)が本当に意味があるのは、公務員勤務よりも私立や委託で働く場合であるとか。
しかし当時の連中はこの論文の意味については、わからんかったのではないだろうか。行政の末端としての図書館が不動のものに見えていたからの。
小泉, 徹 (1952-) ‖コイズミ,トオルさんてーのは西洋史の学者さん。同姓同名の人が業界(資料保存)にいるから注意。

業界誌

しかし『ず・ぼん』もよくやるのう… って社長さんがリスクテイクしとるのか…
このように「冒険主義的」というか、リスクテイクできるのは、じつは、なによりもまず、ポット出版が民間営利会社だからだと思う。
学会誌は、現場の問題を発見することがなかなかできない。発見済みの問題(事象)を学術的にうんぬんすることがメインにならざるをえない。
ほんとは問題を発見するべきは業界誌であるべきなんだけど、『図書館雑誌』は上品すぎて、たとえば千代田図書館ネタはスルーしちまうし、『みんなの図書館』や『図書館界』はイデオロギーバイアスがきつすぎてなんだかゆがんでしまう。
この前も『図書館界』で誌上討論の仕掛け人たる編集委員(山口源治郎氏)が出てきて、とりあえず終ったはずの討論でいっぽうに加担するというのは… あきれた。
まあ「ゆがむ」という点では『ず・ぼん』も同じなんだけど、やはりそこはそれ。商業出版物としてキチンと売れ(つづけて)ないといけないという一点において、最終的なバランスが効くのではとちと期待。
わちは商業主義(欲得づく)というものに一定の敬意をはらうにやぶさかでないのだ。って、これは呉智英先生の新聞批評のパクリなのだけどね(^-^;)
わちきがブログで(・∀・)だかo(^-^)oだかして騒ぐのも、じつは社長さんの思う壺なのかも、と思ってみる。

*1:論拠の文献注がいささか大仰すぎるが。でもまあ、先行研究がほとんどない状態ではやむなしか。いやいや、著者の趣味のような気もする(・∀・)。