書物蔵

古本オモシロガリズム

悪の帝国のレファレンスは悪の帝国図書館長が始めたv(≧∇≦)v?

このまえ神田で『参考書誌研究』なる紀要モドキを拾ったのは、稲村さんの論文が載っていたから。
稲村徹元「戦前期における参考事務のあゆみと帝国図書館--資料紹介「読書相談ノ近況」(昭和十年六月帝国図書館)〔翻刻〕」 『参考書誌研究』(通号 3) [1971.9] p.1〜22
意外なことに、戦後、松本喜一の好評価は、かの稲村テッちゃんに始まっていることがわかる。
cf. 「悪の帝国の悪の図書館官僚!? 」(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20060521/p1

帝国図書館沿革史案(第一次資料)』と題した未公刊の謄写刷二十三丁ばかりの資料を見ていくと、その「大正時代」項中、にわかに「十三年 新年度ヨリ図書ニ関スル相談部新設」の記事を見出して驚かされる。

と、帝国図書館のレファレンス・ワーク部門(相談部)の新設が1924年であったことを挙げ、その資料からは背景が必ずしもわからないとしながらも、次の2点を指摘している。

  • 田中稲城退官(1921.10)と松本喜一館長就任(1923.1)
  • 震災後(1923.9)に殺到した調査依頼

つまり、松本新館長になったからレファレンス部門がおかれたと指摘しているわけである。そういえば乗杉カジュとつるんで図書館講習所を立ち上げたのも松本喜一だったような…
でも、この論文を稲村さんに書かせたのは、実は岡田ナラウさんだったりもする…(・∀・)