世に「図書館小説」なるものがあるといふ。
バカバカし。
と思いつつもマイブームの帝国図書館だけまとめてみん。
小説以外も含む。
『日本近代文学事典』v.4 渋川ギョウ執筆「帝国図書館」
- 「聖堂の図書館」時代(明8-18)
- 上野時代(明18- 上野西四軒寺跡東京教区博物館構内)
- 帝国図書館(明30官制公布 明39.3.20新館開館式)
夏目漱石は、「帝国図書館官制」が公布される以前、五高教授のとき、教職がいやになり、新官制となる帝国図書館に就職することを希望し、貴族院書記官長であった岳父中根重一にそれへの周旋を依頼したことがあったが、それがうやむやになったことがあっただけに、(中略)すぐ閲覧に出かけたらしく
『明治文学全集』索引より
(かきかけ
『文学作品に描かれている上野図書館』1984(コピー本)から
- 矢野龍溪 「斉武名士経国美談」
- 末広鉄膓 「政治小説雪中梅」
- 生方敏郎 「食後談笑(序文)」
- 〃 「梵雲庵淡島寒月翁を憶ふ」
- 〃 「サラリーマンの浮き沈み」
- 江見水蔭(エミ,スイイン) 「自己中心明治文壇史」
- 柳田泉 「幸田露伴(東京図書館)」
- 田山花袋 「東京の三十年(上野の図書館)」
- 〃 「蒲団」
- 久米正雄 「二階堂放語」
- 和辻哲郎 「自叙伝の試み」
- 木下杢太郎 「本・図書館」
- 徳冨蘆花 「思出の記」
- 森鴎外 「渋江抽齋」
- 夏目漱石 「野分」
- 〃 「思ひ出す事など」
- 〃 「書簡(明30.4.23)」
- 木下尚江 「火の柱」
- 島崎藤村 「春」
- 谷崎潤一郎 「ハッサン・カンの妖術」
- 〃 「異端者の悲しみ」
- 国木田独歩 「欺かざるの記」
- 樋口一葉 「日記」
- 和田芳恵 「一葉の日記」
- 斎藤茂吉 「日記(昭16.11.9)」
- 〃 「歌集(霜)(昭和16年)」
- 菊池寛 「半自叙伝」
- 〃 「出世」
- 〃 「読書余録」
- 小栗風葉 「青春(夏之巻)」
- 吉屋信子 「処女読本(図書館のこと)」
- 加能作次郎 「幸福へ」
- 細田民樹 「真理の春」
- 村松梢風 「芥川と菊池」
- 林芙美子 「文学的自叙伝」
- 芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
- 宮本百合子 「図書館」
- 南方熊楠 「履歴書(明治16年)」
- 三宅雪嶺 「真善美日本人」
- 山本有三 「女の一生」
- 斉呉山(セイ,ゴサン) 「支那より見たる日米戦」
- 小林鶯里(コバヤシ,オウリ) 「東京を歌へる(下谷区)」
- 真下五一 「地の人:宮沢賢治(179)」『日本農業新聞』(昭54.11.1)
おそらく、この不可思議なるコピー本がイチバン網羅的な書誌といえるのではあるまいか。
ほとんどが小説・随筆中の一節だが、菊池寛の「出世」などまるまる短編が図書館小説になっているものもあり。