書物蔵

古本オモシロガリズム

夭折の天才書誌学者 島田翰(しまだ・かん)

このまえ夭折の図書館論者はおらぬのーと言ったけど、書誌学者ならひとりそのものずばりがいるよ島田翰
ということで、いまこれ↓をよんでいる
高野静子『続・蘇峰とその時代 小伝島田翰徳富蘇峰記念館 1998.10
この本はめずらしく?新刊で買った… ってどこで? もちろん…
さまざまな伝説の陰にかくれて,よくわからなくなっていた夭折の天才書誌学者,島田翰を,彼をバックアップした一人の徳富蘇峰が残した書簡を中心に,実証的に解明していくというもの。著者は篤実なのだ。あくまで実証的に,翰の悪いところも良いところも記述していく。
この高野(こうの)さんの著書が出るまで,翰のことを記述していたイチバン有名な本は長澤規矩也の『古書のはなし』で,長澤氏は翰に直接会ってない上に,さまざまな流言浮説をそのまま書いているフシがあるという。
高野さんに島田翰研究を勧めたのは,東洋文庫長だった榎一雄氏だという。
翰はひとことで言って(一度書いたけど

図書館蔵本を無断帯出して自裁した書誌学者

ということで有名だったらしい。
なまじ,本の価値がわかる人間が閉架書庫に自由に出入りできたりすると良くないことが起こるというわけだねぇ… おそろしい
そういえば,1990年前後に米国でもBlumberg事件ってのがあったなぁ… 貴重書担当が貴重書を盗みまくっていたというが…
(かきかけ