書物蔵

古本オモシロガリズム

対支文化事業

かなりまえに買っていた
山根幸夫『東方文化事業の歴史』2005.1
を手にとる。「対支」が途中で「東方」に名称変更されたという。
目次をみると…

東方文化事業総委員会
北京人文科学研究所
上海自然科学研究所
東方文化学院の設立
北京近代科学図書館
在上海日本近代科学図書館

などとある。対支文化事業については,もう一冊,分厚い本もあるけど図書館がらみはこっちのほうが詳しいから買ったんだった。
上記のうち上海の図書館には,日本十進分類法の著者・森清もすこしだけ在籍したという(館長とソリがあわずすぐ転出)。北京のほうは,のち図書館学の学術性論争の口火を切ることになる菊池租(きくち・みつぎ)がいた。
どこぞでは森清の研究発表をするというが… 植民地で息をしてた日人=悪人,などという粗野でズボラな議論だけはやめてほしいもの。