書物蔵

古本オモシロガリズム

昭和初年の雑誌史研究提唱 さすが千葉カメオ(゚∀゚ )アヒャ

勇んでトチゲキするも拾へず。わづかに次のエッセイを得る。みはる書房1500円なり。

  • 千葉亀雄 著. ペン縦横. 岡倉書房, 昭和9. 298p ;687-135

千葉, 亀雄, 1878-1935 || チバ, カメオ は元新聞記者にして評論家。「新感覚派」の名付け親でもある。
わちき的には雑誌史研究の提唱んとこに萌え萌え。

徳富蘇峰先生は、最近の「日々だより」で明治文学史を語った折、明治文学史を説く場合、雑誌と新聞文化の与へた業績と感化のいかに偉大であったかを、見落としてはならないと強調した。(略)ところが、けふ日古書市などで散見するぶんでは、そうした尊とい歴史的意義を帯びた雑誌でも、(略)まるで忘られてしまってゐるものがどれだけあるか〜
せめては、小野秀雄君の「日本新聞史」があるやうに「日本雑誌史」が誰れ人かの手によって早く著述されて、

なんと、「日本雑誌史」研究を提唱していゐるのであーる。
おなじ部分に紅野敏郎も注目して

明治文化、明治文学への関心は、明治文化研究会のメンバーのように執拗でなく、また実証的でもないが、好奇心の強さ、幅の広さは、おさおさ劣らぬ、といってよい。千葉も根源的には在野の人の体質を濃厚に持っていた。
紅野敏郎「本のさんぽ(53)「新感覚派」の名づけ親―千葉亀雄『ペン縦横』」『國文學 : 解釈と教材の研究』21(13)(301)p164〜165(1976-10)

としてゐる。