書物蔵

古本オモシロガリズム

同人雑誌史メモ

  • 紅野敏郎 武林無想庵とその周辺--「七人」「モザイク」「鐘」の路線国語と国文学,59(5) p1〜12 1982年05月,
  • 伊藤整(『文学』一九六二年六月號に無想庵遺稿「「七人」の頃――「むそうあん物語」つづき」を紹介)
  • 紅野敏郎(『シンポジウム日本文学17 大正文学』での發表「大正文学の起点」
  • 『増補新編 文学史の園 一九一〇年代』所收の論文)
  • 樋渡隆浩「「文学士」から「文士」へ――『帝国文学』、第二次『芸苑』、『七人』を中心に――」『語文』百三十

森サンの弁

透谷・藤村らの『文學界』(孤蝶・秋骨らの、ではなく!)は、後年、昭和の『文學界』創刊に至るまで文學者自身による文學者のための文學同人誌の範型と仰がれ續けるわけですが、そんなのは僞りの連續性、創られた傳統で、やはり『七人』『新思潮』『白樺』の頃にかけて、かつての第一次『文學界』や『我樂多文庫』のやうな同人雜誌からの切斷(フーコー的な意味で)があったと思ひます。その差異を言葉にして論じてゆくのは難儀ですが、ともあれ紅野敏郎や安田保雄『上田敏研究』における『藝苑』紹介のやうな舊來の論に足りないのは、さうした同人雜誌といふものをメディア論的に(いやメディオロジーの方が人間關係を考察するには適切か)認識する思考でせう。

要するにこれ?

基本標題  =  七人
出版地  =  東京
編者  =  小山内薫
出版者  =  七人発行所
出版年月  =  1(明治37年11月)-[2の2(明治39年3月)]
目次・索引  =  総目次:『しれえね・地平線・基調・黙示・リラ・葡萄園・青銅時代・三田文芸陣・季節の展望・素質・新三田派・七人・朱門・虹(箒)・偽画・未成年」総目次』(R050/369)に収録

一通り文献調査したら、高見順和文学盛衰史 文芸春秋 1958→1987 が基本文献なんだとすぐわかったが、それ以降の伏流水的な研究が見つからず(´・ω・`) 森洋介氏に聞いたら、萌芽的研究がいろいろあるのだとか。特に明治末、小山内かおるらの同人雑誌『七人』をめぐる研究とか。