書物蔵

古本オモシロガリズム

有栖川でひいじいちゃんに会う(^▽^)/ 火災保険地図!

図書館本が大漁だったので気分良く,帰り替えに有栖川記念公園(六本木)にある東京都立中央図書館に寄る。
んで,懸案だった戦前の我が家をみつけるべく探索。
史料のあては最初からあるのだわさ。その点はぬかりない。
火災保険地図ね。
なに?知らないって。
まー,そうでしょう。これはここ10年くらいで注目されるようになった史料だかんねー
ふつう,地図ってのは一戸ごとに誰が住んでるなんてことはわからない。けど,ゼンリンっちゅー会社がだしてる「住宅地図」には載ってますね。
けど,これも戦後のもの。
じゃ,戦前のことはわからないのかとゆーと,実は,これの代用になるもんがあったのだ。それが火災保険地図(fire insurance map)。
どーも都立中央は東京市の分を持ってるらしいとつかんだのだわさ。
いきなり東京室(郷土資料の専門室)へ行くとドンピシャ。そこで出納してもらう。
出てきた出てきたドキドキ。
ページをめくると,ちょうど丁目単位ぐらいでA3の地図になってる…
かなり細かくのってる。建物は一戸ごと。長屋も棟割りの区切りがある。けど,すべての建物に名前が入ってるわけじゃないみたい。「バー」とか「カフェ」とか業種しか入ってないものも。やたらに「米ヤ」が多い。ちょっと大きめの商店・工場はフルネーム入り。
あっ! あった。「○○」って苗字が。そかそか。凡例には書いてないけれど,なにも書いてない建物はしもた屋,類型的な業種の小商店は業種,その他業種の小商店は固有名(のみ)を記載してんのね。うちは戦前,商売してたから名前が載ってたんだねぇ。感動なり。ひいじいちゃんとひいばあちゃんが苦労して一から商売を興したなりよ。
母親が産湯をつかったという銭湯もあったなり。ここに戦前の庶民の生活の証拠がたしかにある。偉大なり火災保険地図。
戦前の日本にはなんでもありました。曰く議会政治,曰く図書館,曰く掃除機,曰く庶民の日常。もちろん植民地や軍隊もあったけど,べつに軍国主義者たちだけがいたわけじゃないよ。
でも…
そしてそれらはみんな焼けてなくなったなり。残ったのは銭湯の煙突の残骸…