書物蔵

古本オモシロガリズム

 図書館本ベスト こども向けだからお腹いたくならないよ!

図書館 / 岡田温. -- 三省堂出版, 昭和24. -- (社会科文庫 ; E 6)  かなり前にドコカで1500円
なんかデパート展でかった気もする…。これは前に論じた社会科文庫(こども向け)の一冊だけど……,うちあけ話すると,汗牛充棟のわたしの図書館本のなかでイチバンいい本
で,改めて見たら奥付にオモシロイ紙が挟まってたよ。

訂正/岡田先生の現職が今度左のように変わりました。/訂正いたします。/国会図書館/受入整理部長

昭和24年6月25日発行だから,年末の11月以降に,在庫本に入れた紙だね。でも,奥付には役職なんか印刷されてないなぁと,さがしたら,ありました。表題紙に「国会図書館整理局長」と。
なんで役職にこだわるかというと,役人世界では局長より部長のほうが格下なんで。局長は次官の次にエライ。次官よりエライのは大臣ですから,(本省の)局長ってのはそーとーにエライんです(近場にコーム君がいたら聞いてみそ)。いま国会図書館に局長は1人しかいないけど,最初は何人もいたんですねぇ。占領軍の御威光があったとはいえ,これはすごいことです。帝国図書館長は文部省のなかで何待遇だったのでしょうね。それが判れば,岡田国立図書館館長の整理局長への転身の重みがわかりますね。
パラパラとめくっていたら,こんな表現が…

帝国図書館が)ついに半建てのまゝ昭和二十四年四月一日をもって国立国会図書館に合併されるに至ったのは,はなはだ残念に思われます。しかし私どもは,新しい出発をなした国立国会図書館すべての期待をかけて,将来の発展を待ち望んでいるのです。
(p.175-176 正字を新字に改む。かなづかいはママ)

なんだか岡田さんの当時の気持ちがこの一言につまっているような気がします。