書物蔵

古本オモシロガリズム

書誌学序説なる珍書からうかがう長澤規矩也の幼少期

先々週だったか、若き畏友に次の本を頒けてもらう。

  • 書誌学序説 : 歌集 (氷原叢書 ; 第16篇) / 長沢ちづ 著. 短歌研究社, 1986.3

長澤ちづは、かの長澤規矩也の助手を勤めた人で晩年の養子。
規矩也晩年のことが多少分かるのと、規矩也の生い立ちもちょっと類推できる歌を詠んでいる。

折紙を思い出すまま伝授して父にさびしき幼年期あり

母方の祖父母のもとに育ちしとう我の知らざる確執あらん

こういった歌をみると、森さんが言ってた「長澤は、祖父のことはやたら言及して褒めるのに、父親のことは一切言及しない」と言われたことの原因がおぼろげながら見えてくる。
ja.wikipedia.org