書物蔵

古本オモシロガリズム

 書読と斎書?

えーっと,右横書きです。『読書と書斎』がほんたうの読み方。
書斎と読書 / 三省堂. -- 三省堂, 昭和16  古書モール(出品者かわほり堂)で1500円
昨日,高円寺でも神田でも古書会館では図書館本を拾えませんでした*1。シクシク…(泣
と思っていたら,古書モールでふと目にしたものが,仮性図書館本!
いま,試みに長澤規矩也(書誌学者)「書斎と引越し」を読んでみた。長澤氏はお金持ち,私は貧乏,長澤氏は和唐本,私は雑本という大きな違いはあるけれど,構造としては同じような話なので膝をうつ。
長澤氏は神経衰弱を癒すために葉山に引越したんだそうな。で,「全く本と本箱のみの引越には大家が驚」いたんだそうな。
私の場合も,まえのとこを探す時に5年ぶりに会った不動産屋*2が,「あゝ,本の多かった人ね」といい,ケーブルテレビ局員が「本が多いひとはオモシロイ人が多い」といってましたから(笑)。やっぱり常人より本は多いみたい。本と本棚が今回の引越の大問題だったんだわさ
で,長澤氏も葉山でまわりがうるさいからと、やたらと引っ越す(私もおなじ)。さらに家は本だらけ。玄関にまで本を置く。身につまされる随筆だす〜(笑)
ほかにも,松本喜一(第2代帝国図書館長)の「帝国図書館と私」も。
友人が,「いいわけみたいな文章」と言ってたけど*3,ほんとうなり〜。帝国図書館がいかにダメダメな図書館であるかを,くりかへしてる…
そんなこと縷々述べられてもなー一般読者には面白くないぞ,って私にはとてもオモシロイ,面白すぎ!
予算不足なんだって,それも600万円あれば,1/3しかできてない帝国図書館が完成するんだって。なーんだ,600万円かー,それならみんなで出せそうだよ。今度出そうね(笑)
松本喜一,きちんと戦後でいうpublic relations(公共関係)にいそしんでるじゃないすか,自分のところをダメダメと卑下してるところが気に入った。肉を切らせて骨を断つとはまさにこのこと! これで,もしGreater east asia warに突入しなければ,帝国図書館は立派に完成したかもしれませぬぞ!さすれば,いまの「子ども図書館」も,書庫も事務室も閲覧室も,広々としてたかもかも??? まず自分のとこはダメダメとプロパガンダ(むしろ当時はこの用語ね)するところから社会へ訴えるという高等戦術なり〜
わたしには今だにpublic relationsとpropagandaの表層的違いがわからんのよ。表面,両者はおなじにしか見えん… 以外と両者は本質的におなじだったりして…(笑)

追記(2006.5.11)

画像を追加。出典はパンフ『「国際子ども図書館」の建築』。左ページのカラーの部分が実際に立てられた1/3。右ページ上の写真がそれの実写。

*1:会館ではめずらしくマンガを拾う。松本零士の「戦場まんがシリーズ」2さつほど。元の装丁で200円。これは,いいです。表面的にはヒロイズムっぽくみえるけど,犬死が犬死として書かれてるノダ。かくて兵器オタクは反戦主義者となれり。

*2:練馬駅デンマーク地下の不動産屋はよいぞ。掘り出し物件あり。

*3:この友人はこの本を持っているということなり〜 すごいぞ! ボクの友人。私の掘り出しは大抵すでに持っている…