書物蔵

古本オモシロガリズム

エログロナンセンス、のエロは昭和7年まで?

図書課の月刊雑誌たる『出版警察報』にこんな巻頭言が。

 最近風俗禁止が減少の傾向にあることは、主として新聞紙法に依る禁止の減少に基づくものであって、その理由としてはエロテシズムが最近中央のみならず地方に於いても漸くヂャーナリズムの対象から遠ざかって来たと共に、満蒙問題を中心とする国家非常時に関する記事に圧倒されて、一時地方新聞の挙って掲載せるこの種の記事が著しく減少せる点等が挙げられやう。

  • 「一月中の出版物発行並取締概況」『出版警察報』(53)p.巻頭(昭8.2)

「三四五六本」という古本マニア語が提唱されたけれど、やはり昭和7年あたりが転換点なんだなぁ

つぎの54号(昭8.3)では、東京プロレタリア図書館出版部発行の『読書之友』1(1)1.25発行が、2月2日禁止になってるね。「「読書の友発刊に就て」ト題スル戦争反対記事ヲ主トシテ禁止。」とある。