書物蔵

古本オモシロガリズム

「新聞縦覧所の目的は、ミルクなり菓子なりを食はして利益を取ると云ふ方」

  • 信田葛葉『実業世界立身案内』 (池田書店, 1909)

 ◎新聞縦覧所と煙草商
 婦人の職業としては適当である、資本は家屋の外五六種の新聞、牛乳二升内外、西洋菓子の一円も仕入れて兼業として煙草をうることである、中々耽読に煙草屋を開業すると云ふことは少額の資本が許さぬ処で利益は一割三分平均の薄利を以ては小さな店では追倒される、左れば二者之を兼ねて両方から利益を収める方針を執る、夫れで資本は廿円内外で間に合はせる、一体新聞縦覧所の目的は、ミルクなり菓子なりを食はして利益を取ると云ふ方であるから牛乳は精撰して、ちょっと仕たことにも親切を以て注意すると云ふことを忘れてはならない、煙草屋の方は煙草本位ではないが一通り仕入れて置く必要はある、
(p42-43)

信田, 葛葉 || シノダ, カツヨウ には、まったく同じ内容で、『成功秘訣男女の福音』『男女腕一本金儲ケ法』 (成功堂, 1908) がある。あと1冊小説『薔薇娘』万字堂書店[ほか], 大正2. 312p

それから、これすごいイイ

  • 原田東風 著. 各種商店主人店員苦心談. 大学館, 明38.11. 289p