書物蔵

古本オモシロガリズム

書籍館がみな、明治10年代に絶滅

石井㌧先生の「黎明期の曰本の公共図書館運動:秋田書籍館を中心に」『図書館学会年報』だったか、滅亡した図書館情報学資料室で読んだら、明治初年に「書籍館ブーム」なるものがあったと知りびっくり(@_@;)
と、言ふのも、それまで受けた正統的図書館情報学の知見によれば、戦前、日本政府は終始一貫して図書館は後回しにしていたということだったので(´・ω・)ノ
最初の啓蒙期には上からの近代化、といふことで、府県書籍館、官立新聞縦覧所の設立がブームだったとはとは( ・ o ・ ;)
しかしこの明治初年のブーム書籍館がみな、明治10年代に絶滅してしまったといふことを知ってさらにびっくり:(;゙゚'ω゚'):
南陀楼さんも『週刊読書人』の『公共図書館の冒険』書評で言及していたけれども、ブーム書籍館の衰退絶滅期に図書館の役割を果たしてゐたのは「新式貸本屋」ぢゃった(´・ω・)ノ
清く正しいマルクス史観の石井㌧先生は、本屋の大黒屋が指定管理者だった「集書院」がツブれたのは、商業資本が貸本屋的にいいかげんな経営をしたからだらう位に書いちゃってたが、事実はさにあらず( -Д-)ノ
逆に中途半端に官が介入したか、観念的な良書主義にハマって経営が失敗したのであった。