書物蔵

古本オモシロガリズム

三昭堂はゾッキ本の通販会社

アナおそろし!
股旅堂さんから売ってもらった「読書時代」なる冊子―とは言へ販売目録にすぎんが―にこんな広告がある

財部叶著(危機の若人注意せよ)
性的誘惑の手段
四六版三〇〇頁クロース/金文字入定価一円五十銭
特価四十五銭(送料八銭)

いかにもエロ本風な題名ぢゃが…
どうやら社会事業家、財部, 叶 || タカラベ, カノウ の本らしいが、これ、おそらく次の本。

  • 都会の誘惑 / 財部叶 著 新生社 1930.8.12(8を訂正)※8.19内交 第3版によれば、1930.8.12が第三版とあり、ワケワカラン

目次の色っぽくなりそうなとこだけ抜き出して、あたかも本全体のタイトルであるかのようにあおってゐるワケ。

第二話 危機の若人/33
・ (一) 不良の色分/33
・ (二) 誘惑の手段/43

おそらく三昭堂はゾッキ本の通販会社。

図書出版 三昭堂 振替口座東京一四六四六番 東京市四谷区本村町二十九番地

とあるが、うーん、ここの出版物の残存は見当たらなかった。
最終頁でこの三昭堂は、「地方支局長募集」とて、「支局長必要金八十銭」で「極簡易なる事務」で「一ヶ月に三円から二十五円位」かせげるポストに応募せよと広告してゐる。どうやら小卒の人々を想定しているらしい。なかなかに悪ぢゃのぅ。