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原石をいくら山と積んだって、精錬せねば:レファ協の日経記事で思ふこと

この記事で、レファ協とQ&Aサイトが比較されとる(´・ω・)ノ

  • 「図書館の質問サイト、信頼性強み、アクセス倍増(活字の海で)」『日本経済新聞』(2014.2.16朝)p.21

「大手検索エンジンなどが運営する一般的な質問サイトは回答者の多くが匿名や仮名で、情報の典拠も明記していない場合が多い」とて、「「廻転鳥」の読み」の事例に質問サイトだとまちがってて、レファ協だとあってそうな事例が紹介されとる。
質問サイトだと「ふしちょう」という答えがベストアンサーとなっとるが、一方でレファ協だと「「難訓辞典」(東京堂出版)に基づいて「うぐいす」と」回答しているさうで、「レファ協は根拠となる文献の出典情報を明示するのが特徴」だと。
まあ、出版物とて間違い・トンデモ情報はあれど、レファは原理的に司書でなく出版物に責任を預けちゃふし、回答の当否や適否は、質問者自身が示された出版物を見て考へるといふことにならうが、相対的に信頼性が「強み」とぞ。
プラスして、「調査のコツを学べるメリットもある」とレファ協事務局がいふやうに調査プロセスがわかる点も「興味深い」としている。

レファ協DBの問題

一方でちゃんと問題点もあげとる(。・_・。)ノ

問題はデータ数の少なさ。1月末で12万6千件と、大手質問サイトの千分の1の規模だ。全国には公共図書館だけで約3千館あるが、参加館は613館。予算や人手の不足が参加に二の足を踏む一因になっているという。

なるへそ。「大手質問サイトの千分の1」とは(σ^〜^)σ
ここでちと考へてみやう(´・ω・)ノ
1000倍の相手と対抗しやうとするにはどーしたらよいか?(σ^〜^)
すぐ考へつく選択肢は2つだね(o^∇^o)ノ

A.予算や人員の量を1000倍投入する。
B.1/1000でも対抗できるように質を再検討する。

ふつー戦争で、戦力が相手の2/3より少ないと、攻めてくとまず負ける。攻めていく場合は3倍は欲しいところ。ん?(・ω・。) ぢゃあ、3000倍の予算・人員が必要だね。
と、Aは採れないのは明らかなんだから、当面Bしか、ない。
量の拡大ばかりにかまけて、Bも考へなけりゃあ、ジリ貧、大阪冬の陣、夏の陣、座して死を待ち、落城してしまふ。関西豊臣は滅亡ぢゃ(。・_・。)ノ

Bの路線を考へる

上記の記事で「コツ(骨法;こっぽう)」に言及されとるのがヒントにならう。
「事案」てふものは、100、1000、10000と積みあがっても、実は「例」とすべき「事例」にはならん。
けど、気の利いた人物であれば、例となりえる「事案」1コを見れば、「事例」として再解釈可能である。
たとへばサ。

事例をさらにわかりやすくリライトしたものが、世にいふlibrary pathfinderと考へることができやう。
あたかもよし、10年くらひまへから、図書館業界一部でpathfinder書きが流行ったことぢゃった。その余波でか、調べ方案内てふpathfinderが、たくさんの事案のなかにまぎれこませ、とけこませておる。また、ただの事案でなく、どうかんがへて答へをだしたかが、透けて見へるやうな「事例」になりうる事案もあるやうにおぼゆ。
原石をいくら掘り出して、山と積んだって、精錬せねば、使えぬでしょ。
わかってて原石積み上げてるんならいーんだけど、それも分からず、積んでるだけでは、1000倍積まないと同じ土俵には立てんわな。事業といふのは、やるだけでなく、コンセプトも(というかコンセプトのはうが)大事。
精錬されたるパスファインダーがまっさきに表示されるやうな検索ロジックを組むか、別途検索できるやうなインターフェイスを創らねば、質的な強みも強まらんとおぼゆ。
ん?(・ω・。) さんなちんまりした答へで1000倍の敵に勝てるのかって?
いんや、やっぱす、むり(σ^〜^)

ほんたうに正しいこたへは

ほんたうに正しいこたへは、さういふ差別化をはかりつつ、

C.戦略的な位置づけを全く変えてしまふ。

といふ手。
豊臣氏は籠城して滅亡した。じゃあ、真田みたいに打って出るってか?
ちゃふちゃふ。
開城してしまふのぢゃよ。ってか、徳川に協力する。1000倍の相手に乗り込んでって相手と一体化する。
ん?(・ω・。) なにがなんだか、わからんってか。

長期的にはCの路線が

幸ひなことに、レファレンスとゆーのは別に司書しかやっちゃならんもんではない(実はユーザ自身がリファーする)ので、Cが採れるのぢゃ。
質問サイトで直接、図書館員が答へるのぢゃ。
もちろん、質問の1000個に1つしか答へなくてよい、ちゅーか、人員・予算の関係で、答へることがそれしかできない、といふのがホンタウのところぢゃが、それは隠す、ぢゃなくて言ふ必要はない。
だって。。。
残りの999個にリファーをする主体は司書でなくてよいから。
1000個のうち1個、規範的、模範的、例示的な答えになりうる質問に、規範的、模範的、例示的に読めるやうに答へればよい。
それを見て、なるへそ、ほんたうは、それなりのDBやら本やらがあるのか、とて残りの999個にヴォランティーアの何人かが、よりよきやりかたで答へるやうになるというのが、理想的な姿ではあるまいか。
もちろん、質問者の何人かが自身で質問をかきこするまへに自身でネット上、近場の書店、図書館で、典拠文献にリファーして答へを見つけられれば、それでもよいのぢゃ。
日本人全体のリファー力が上がってこそ、司書による小規模ちんまりリファー事例も生きてこやうといふもの。
それを、質問サイトと対抗・競合関係にあるなどと、大それた戦略を組んだ瞬間に、税金無駄遣いのから騒ぎにおはること必定。