書物蔵

古本オモシロガリズム

カードによる情報処理の歴史についての単行本(英書)

ある所でぶん殴りそうになった先生のレビューからはっけーん(σ^〜^)

Paper Machines: About Cards & Catalogs, 1548-1929 (History and Foundations of Information Science)

Paper Machines: About Cards & Catalogs, 1548-1929 (History and Foundations of Information Science)

ってよく見たら、いぜん発見してた独語の本の英訳だった(σ・∀・)

 今日ではどのオフィスでも、ほぼすべての卓上にコンピュータがある。けれど、八十年ほど前、卓上には非電子的なデータ処理機が備えられていた。それがカードファイルである。この本、『紙の機械』でマルクス・クライェフスキー(Krajewski)は、この、再編可能な部品(ファイル・カード)から成る原始コンピュータが、どのように進化し、大戦間期のオフィスでユーキビタスとなったのかを描く。
 新しいデータ処理法を考えた16世紀のスイス博識家、コンラッド·ゲスナーから物語は始まる。その処理法とは、1伝票に1事実または1トピックで、紙の伝票に手書きのメモのシートを​​カットし、必要に応じて配置するというものだった。
 18世紀の後半には、カード目録が、情報過多の脅威に対する司書の答えとなった。その後、 20世紀の変わり目に、ビジネスが簿記のツールとしてカード目録の技術を採用する。クライェフスキーはこの概念的な発展を検討し、チューリングの普遍的離散機械の基本動作、記憶や処理、データ転送といった操作を実現した「普遍的紙機械」としてカードファイルを位置付ける。
 これらの話を物語るため、クライェフスキーは、魅力的な回り道に読者をいざなう。例えば、カード目録と住所の番地システムが、同じ都市(ウィーン)の同じ時期に登場していること、ハーバード大学固有のカタログ法はある司書の怠けから発生したこと、メルビルデューイ(デューイ十進分類創始者)が、カードファイルシステムをビジネス界へ技術移転させたことなどである。