書物蔵

古本オモシロガリズム

司令部の詐欺師参謀

さんざ戦線を拡大して粋がっていた隣の熱心師団が、いきなり、「もう戦線がもちましぇーん、退却しまーす」という。はっきり通告してこないが、どうやら、ハイになってた熱心連隊が転出して、かはりに来たのは普通連隊、やたらに広げた戦線が総崩れを起しはじめているらしい。
もともとこの方面への進出に消極的だったわが消極師団なれば、「それみたことか」というところがホンネ。ただ、進出してみれば、思った以上の意義があることが判明しつつあり、まだ戦線は維持すべきと思われるようになってきたところだったので、熱心師団の退却はちと早いのではないかと思うところだが。あるいは最近噂によれば、熱心連隊のあとにはバカかな連隊(愚連隊か?)が配備されてきたそうだから、退却もやむをえなかろうとは思う。しょーがないだろうぐらいに思ってた。
ところが隣の師団の撤退を軍司令部が連絡してこない。熱心師団が退却をはじめてから、それをあとづけ的に連絡してくる始末。いやぁ、これはまともな作戦指導とはいえません。その上。。。
なんと熱心師団のかわりに配置されたのが、砲兵師団だったのだ。
ん?(・ω・。) そんな師団ないってか。
そうなり。だって、砲兵は戦線を維持する部隊じゃないもの。
連絡会議で、「おいおい、こりゃあそもそも部隊の種類がちがう。これでは全面的に戦線を縮小することになるでしょ。砲兵部隊はいくら大きくたって戦線を維持する師団じゃないんだから」と司令部参謀に言ったら、なんだかペラペラと論理にあわないことをとうとうと述べる。まだ、「ほかの師団の都合がつかないんじゃワレ! 砲兵だろうが国民兵だろーが後方部隊をツッコむしかなかろうが!」と言ってくれれば、「あ、そうなのか。まあもともと維持できないような戦線を展開した熱心師団が悪いよね」ということになるのに、なまじ、部隊のいれかえが問題ないような雰囲気にもってこうもってこうとするから、あきれてしまった。
こーゆー参謀が出世すると大東亜共栄圏なんかあるイキチを超えると大崩壊するんだよなー、と思いつつ、おりゃ知らね、と思うたことぢゃった。