書物蔵

古本オモシロガリズム

保険操觚者、アンビル・マサジロウにつきて

「掘り出しは創るものである」というのは真実。図書館用カタログでない古書販売カタログたる日古を引く場合、検索語の選定が非常に重要で*1
そういへば、以前、出版業界誌一覧をバ作成したる際、雑誌興信所みたいな版元があったなぁとて、「興信」と「新聞」で次のものがヒットしたのでさっそく注文し、いま到着を待っているところなるが。

  • 保険業界操觚業者論 / 安蒜政治郎.保険興信社,昭4.四六判;71p. (保険興信の参)
    一般新聞界の現勢/保険操觚界の実相/保険会社の応接態度/一般新聞の有つ権威/保険国の人物/其人其言/保険会社の印象ほか 前見返に「乞高評」との印

どこの図書館にも残ってないやうだが、たのちみなり(o^o^)o

この本の主題について

きのふ、○○商会さんと話してて、説明が必要なりと思ったなり(σ・∀・)
まずハ「保険業界」なる言葉の意味は大丈夫だろうけれど、これ、つぎの言葉にかかってをるんよ。保険業界固有の「操觚業者」についての論、ということなんよ。
ん?(・ω・。) 「操觚業」って何だってか(~o~)

《「觚」は四角い木札。古代中国でこれに文字を書いたところから》詩文を作ること。文筆に従事すること。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/128404/m0u/

ってのが「操觚(そうこ)」の意味ね。文筆業の古い言い回しぢゃ。京都の古本屋、梁山泊には「操觚者」てふ棚があるぞよ。まぁジャーナリストとでもいはんか。この本では、保険業界の業界誌記者について、というほどの意味ぢゃらうテ。
「保険操觚界」つまり、保険業業界紙誌界の話が載っているはず。んで、取り屋雑誌よろしく操觚者が保険会社にいき、広告だせだせといったらどんな「応接態度」をとってくれるかも書いてあるはず。
たのちみなりo(^o^o)ワクワク

著者、アンビル・マサジロウにつきて

安蒜頑涕生(あんびる、がんていせい)こと安蒜, 政治郎 || アンビル, マサジロウ
東京浅草馬道町8-12で保険興信社を昭和初年頃から15年あたりまでやっていた人。
とゆーことが、国会デジデジの彼の本を見ることでスグわかる(めづらしく文化庁長官裁定されてた)。ただ、著者典拠はマサジロウとガンテイセイが両者が相互参照されとらんね。
国会のサーチを見ると、それ以前、「腰辨ノート社」なる出版社もやっていたようである。

  • 夾鐘 創刊第3号 / 安蒜政治郎編.腰辨ノート社,1915.熊本県立図書館

ついでに保険業界の業界紙がわかった

保險業務研究 / 保險業務研究社 [編]. -- 927號 (昭15.7)-. -- 東京 : 保険業務研究社 , 1940-. -- 継続前誌 : 保險銀行通信 / 保險銀行通信社 [編]. -- (AN00228174) ; http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00228174

*1:逆にいへば、図書館目録なら、統制語や分類、著者典拠などで、とっかかりはあやふやでも、きちんと引けないといけない。でも、国内にはそんなものはない。つまり現状では日本の図書館目録全部ダメ。