書物蔵

古本オモシロガリズム

上森子鉄についての文献

上森子鉄は有名な総会屋さんで、もともとわちき総会屋そのものにはあまり興味がなかったんだけど、業界雑誌を調べとるうちに当然のごとく取り屋雑誌、ひいては総会屋雑誌を調べねばなんないことになり、それなら補助線として戦前の総会屋はどうなんだべ、ならば総会屋の起源はなんだべ、とて、総会屋の日本史に分け入り(その嚆矢は実は明治の「壮士」に始まる。そう、あの「博徒と自由民権」ネタに同じ)、一方でエロエロ草紙がらみで、でぢゃなかった金沢文圃閣の軟派文献の書誌を買った影響で戦前エロ出版史にも興味が出、かの梅原北明に思いをよせつつも、そこから出た上森子鉄がこれまた総会屋さんになったぢゃないの、とてはまってをるところだす(^-^;)
んで。

菊池寛と上森のなれそめ

  • 橋爪健 著. 文壇残酷物語. 講談社, 1964. 227p ;

この本のp.26-27にビンボーな新聞配達少年の上森子鉄が出てくるんだなぁ。。。

大正八年、その中富坂界隈を時事新報を配達して歩く十八、九の少年があった。かれは小学校を出た十三のころから新聞配達をして苦学していた文学青少年で、配達しているうちに、ふと菊池寛と表札の出ている家を見つけた。〜うれしさに新聞を朝夕無料で入れはじめた。

そして、どうしてただで新聞を配ってくれるのか、という奥さんとのやり取りから菊池寛の通い書生になるといふ。。。
ん?(・ω・。)
きっと拡張用の無代紙(赤紙)であらうとはいへ、「無料で三、四ヶ月も」入れるとは、いい度胸なり(σ・∀・)σ
栴檀は双葉より芳し、ってか(;´▽`A``
それはともかく、奥さんに再度声をかけられたのは大正8年11月末で、つぎの春(大正9年1月?)に菊池寛に会ったとあるから、妙に詳しい。
これは橋爪が「〈文芸市場〉の出た大正十五年のころからの知り合い」だから、直接聞いてるんだねぇ(σ・∀・)σ