書物蔵

古本オモシロガリズム

ドン・ザッキーの夢:「街の図書館」と通俗図書館学

こんなんでてきたんで投入ー(ノ`∀´)ノ ⌒ .、●~

  • 『街の図書館ニュース』 no.3 半月刊 1956年7月10日発行 定価5円 千代田区神田美土代町9 東京都読書普及商業組合 TEL(23)3810・3881 発行人都崎友雄 編集人久保田福七

タブロイド判の1枚もの新聞だねぇ(*´∀`*)表と裏の2ページしかないが
なになに(´∀` )

各界の注目浴びる街の図書館
”街の図書館”として社会的にも認められてきた当業界も、このところ日本図書館協会機関誌”図書館雑誌”に特集問題として採り上げられる一方、大学文学部でもこの”街の図書館”に対して多大な関心を

へー( ・ o ・ ;) 文学部ってどこだろ?

先般、慶応大学教授、藤川正信氏(文学部図書館学科)以下学生十名が組合本部を来訪、都崎理事長と懇談され、

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!藤川正信

Popular library scientistによいしょされるlending library

Lending libraryって、なんて訳すか知ってる?(σ^〜^)σ
貸出図書館ぢゃ、ないよ。貸本屋と訳す、って知ったときには、ほへほへーと思ふたことだった。英米の公共概念は本朝と違うってねぇ。
そして昭和31年の日本は米軍統治さめやらぬ頃であり、また、慶応のJapan library schoolも日本民主化のために米人肝入りで造られた学校。
その学校の藤川は都崎にあとでこんな手紙をよこしたという。

英国におけるレンディング・ライブラリイの組織に似たものを造り上げられる御計画を伺い大いに意を強くしました。楽しんで、しかも有益に本を読む習慣が我々には欠けていたようで

どうやら都崎が藤川に、貸本屋の全国組織を造るぐらいの計画をぶったらしいのだ。藤川は戦前のドンザッキーこと都崎にエールを送る。
藤川はさらに、

来日中のミシガン大学図書館東洋部長、レイモンド・ナン氏に御会いした際、貴組合のことを話しましたら大層興味を持った様でしたので、先日いただいた雑誌(街の図書館)三冊とニュース新聞一部を差し上げておきました。

と書いちゃうもんだから、この記事の題字に

期待される当業界/外国人も注目す

なーんて、やっちゃって喜んでいるが(σ^〜^)
藤川は米国図書館学の成果を一般に広めようと「第二知識の本」という通俗書をだした人で、わちきはひそかにpopular science ならぬpopular library scienceの伝道師と思ふてをるのだけれど、その藤川が貸本屋にエールを送り、さらに海外に紹介までしていたとはとはヾ( ゚д゚)ノ
でも、Mさんがいふ「幸せな誤解」だねぇ(・∀・)
藤川は、都崎らのいう「街の図書館」が公共図書館が発展すれば潰れていくという英国の発展段階を知っていたのではでは(σ ゚ー゚)σ
われわれはこの後の世界、つまり1960・70年代にlibraryがlending優先で発展した後の世界を生きているから、library scientistがlending libraryにエールを送るなんちゅーことは想像しづらいね。

新刊屋も古本屋もなし得ない読書文化普及の第一線

べつの記事もなかなかに悲壮

全国の皆さん/統一組織のもとに
(高崎、前橋の業界視察に東読の幹部が行った記事で)
更に一歩進めて、むしろここに我が業界の根本的姿があると思われますのは新刊屋も古本屋もなし得ない読書文化普及の第一線に立っていることです。この為にいつまでも新刊又は古本組合に隷属している事は許されなく、一刻も早く貸本独自の線を堅持し、自主的に行動しなければならないと思います。
 貸本屋はいつまでも社会の下積みではないのです。悪書追放の声が起ると彼等はその責任を我々に転化して、悪書のはんらんは貸本屋のためとしました。(略)
 しかしながら、我々の立場に立って現実をみますに、その利用者は全国平均五〇%の児童と大部分の家庭夫人を始めサラリーマン、学生、労働者、農漁民であることは誰よりも業者自身よく知るところです。かく大衆の中に生れて、親しまれつ育ちゆく姿は公共図書館といえどもなし得たことでありましょうか。

貸本屋は新刊書店や古本屋の組織に「隷属」してはならない。
貸本屋は社会の下積みではない。
大衆の図書館は公共図書館ではなく、貸本屋である。
とこう述べている。
その言やよし。
ってか、かういった理念先行の東読だったせいか、まだニュースが3号でしかないのに、さっそく分裂さわぎの記事がある(σ^〜^)
しかし戦後のドンザッキーが公共図書館に対抗する貸本屋運動に挺身していたとは(+o+)
これって青木正美さんの伝記に載ってたかなぁ。。。
結局、ほぼ一次史料として機能する業界誌が残ってをらんから書けないのか(*゜-゜)
藤川先生の調査報告とか残っていたらオモシロかろーが、いまミシガン大学にも慶応大学にも「街の図書館」は残ってないよーである、ってか、どこにも残ってないなぁ。。。(σ^〜^)σ

関連文献

これはしばらくまへにわがせどり御殿なる書物蔵から発掘されたものの関連出版物だねぇ。

  • 『文化振興タイムス』 旬刊 創刊号 1954.9.14発行 日本文化振興株式会社

「東読」の機関紙が「街の図書館ニュース」で、日本文化振興株式会社による貸本業界紙が「文化振興タイムス」ということでよいかしら。
すると、雑誌『街の図書館』も東独の機関誌かしらん(゜〜゜ ) 
東京都読書普及商業共同組合 千代田区神田美土代町9 Tel23-3810〜1 [代表]都崎友雄 [部門]総 [雑誌]街の図書館 (『出版年鑑』1958年版 p.1433)
にしても、ドン・ザッキーこと都崎友雄はむちゃくちゃ理念先行ですの(σ^〜^)
いまググブックルと。

文学: 第 49 巻、第 1〜6 号11 ページ
books.google.co.jp1981 - スニペット表示
の美称の「ドン」であるとともに、彼にとって音のなかで敢もなつ「ザツキー」は「ッザキ」のアナグラム、「ドン」はスペイン男性ン^ザツキー」の由来は、わたくしが都崎氏自身から聞いた所では、れは「ッザキ」が正しい。ちなみに、都崎友雄のぺンネ—ム「ドキ.トモォ」と ...

なるへそ。トザキかツザキかわからんかったが、本人曰く「「ッザキ」が正しい」とぞ。
こんなのもヒットした。

出版年鑑books.google.co.jp出版ニュ-ス社 - 1956
1280 ページ
... 長都崎友雄(めじろ文^》刪理事長 11 : 1 中利弥(美原^ ^ )専秣理事中山庄ニ郎(後楽堂害店)?秣理事久永初政(太洋咨房)内保直二(ふじみ坂文庫)荒井欣ー(五反田害房)池田作之助(池田害房)郄?謙三(相間堂)理事久保田福七(舟堀文?)中村幹?(逭?堂) ...

いがいとグーグルブックが使えるという噂(^-^;)