書物蔵

古本オモシロガリズム

高円寺「大均一祭」にてプレミア本を200円で拾うこと

午後からなれど高円寺古書会館の均一祭。均一祭はその値段の安さ(初日なんでも200円、次の日100円)によるのか、それとも荷物を預からないことによるのか、普段の即売会より一般人が多い。わちきが行ったときも、明らかに古本に無縁そうな若いアヴェクが、わちきの前を歩いとったンで、「はい、どいてどいて」と思って後ろを歩いとったのに、彼等がそのまま会館に吸い込まれていったのには驚いた(×o×)
オカタケ氏のブログによれば午前中は携帯せどりも来ていたらしいが、むべなるかな。実は児童書など、ひねれば数百円から1000円になりそうなものもあるからねぇ。せどり、ひやかし大いに結構と思う。いま神田古書店の老舗も古く明治のはじめ、「せどり」から身を起こしたことは『東京古書組合五十年史』にある。また、この均一祭で売れなかった本たちは、そのまま廃棄されてしまうのだから、救えるものは救うべきでもあろうし。「まわる古書籍、ひろがる文化」ぢゃ。

拾った本たち

とにかく、なんでも200円、ただみたいな値段なのでいろいろ。

  • ドコカの国にようこそ! / 大海赫. -- 童心社, 昭和50. -- (現代童話館 ; 8) ※これは、かなり変わった本。小学生の頃、学校図書館で読んで古本趣味復活以来ずっと探しておったのだけど、けっきょくこの均一祭で拾うとは。あまりに名作なので、復刊を買ってしまったぢゃないの。ドコカの国にようこそ! / 大海赫作・画. -- ブッキング, 2004 けど今見たらアマゾンみたら、なんと元版のほう、1万5千円もつけとるところがある(*ω*;)´´ そういふ意味では、200円とは安いなぁ。
  • 江戸時代の日中秘話 / 大庭脩. -- 東方書店, 1980.5. -- (東方選書 ; 5) ※これは森さんにみっけてもらった(^-^;) この著者の本、岩波新書のやついまでも持っとるよ。「日本 -- 外国関係 -- 中国 -- 歴史 -- 江戸時代」なんちゅーボケた件名が書誌データについとるが、実際これは「図書 -- 貿易 -- 歴史 -- 江戸時代」とでも付けるべきもの。
  • 論文の書き方 / 秋山虔. -- 至文堂, 1959 ※これも森さんに。学説形式論で、http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20110610/p3 森さんにコメントされたもの。以下、森さんのいふやう、

『論文の書き方―国語・国文科学生のために―』(至文堂、一九五九年五月)中「論文の進め方・まとめ方」は、「東京の学風の展望から」(吉田精一)と「京都の学風の展望から」(森修)との二篇から成ります。こんなあからさまに入門書で東西の學風の差を説いたのは珍しいのではないかと思ひます。但し現象の記述のみ、原因や條件などの考察には渉りません。

  • 丸谷才一と17人の90年代ジャーナリズム大批判 / 丸谷才一. -- 青土社, 1993.3 ※これも森さんに。新聞書評論などがあり、近代書誌学上、有益。
  • 講座情報と図書館. 第3巻. -- 雄山閣出版, 1984.7 ※これは自分で見つけた。ぱらりと見たら、なんと後半が「国立図書館における情報の収集と選択」というお題。わが国の国立図書館の収集保存方針にはつねづね不信感を持っているので、興味があったのだが、かようにまとめが書かれていたとはつゆ知らず。って、友人に「これにこんなの載っとるよ(*ω*;)´´」といったら、「知ってます(。・_・。)ノ」とかるくいなされてしまった(^-^;) ちなみにこの本、タイトルのすべてのレベルに「情報と図書館」とか、「情報の収集と選択」とか、「国立図書館における情報の…」とか、「情報」のオンパレードなのはご愛嬌。ってか、図書館学が機械化、電算化していく途中で、特殊日本的用語として「情報図書館学」なる概念が案出されて、それが一定程度ひろまったということが背景にあると思う。いったい誰が考えた言葉だろうか。文部省のだれかだろう。ただこの用語、単に混乱をまねいただけの結果におわったと思う。実際、上記のタイトルにしたって、「情報の収集」ったって、べつに司書が探偵や研究者みたいに現実から直接情報を析出してくるんぢゃなくて、ただの「資料の収集」のことだからね。