書物蔵

古本オモシロガリズム

「高円寺大均一祭」について考察

久しぶりに楽しかったので、こんなことを書いてみた。

高円寺大均一祭とは
2008年ごろから開始された新しい古書即売会の一つ。西部古書会館で開催される。
どのようなものでも、初日200円、2日目100円という格安価格。
陳列品は良くも悪くも選択されていないようなので、購買者の選択眼によっては「掘り出し」しほうだいであるところがミソ。主宰者HPによれば「マニア、セミプロ、セドラー、ビームせどり、同業者の方も大歓迎」とのこと。
戦前の本、ここ数年の本、学術書、講義録、一般書、娯楽本、どーでもいい本、トンデモ本、バカ本、はては帝大の授業ノートにいたるまで、通常、商品として価格がつかないものも含め極めてバラエティーに富む。
また、とりたてて選択眼などなくとも、1冊100円なので気になったものを片っ端から買うという通常では味わえない爽快感もあり。
2日間陳列された後はそのまま「つぶし」に回ってしまうようなので、「迷ったら買う」というスタンスが消費者としても正しいと思われる。
通常、古書会館における即売会では入場者の持ち物は帳場で預けることになっているが、この古書展は預けないでよい例外のひとつである。いつもの台に置くこともできるが、札をもらえないので利用者の自己責任ということらしい。

わちきは新しい形式の即売会の試みを高く評価するものであって、たとえば、数年前までやっていた「アンダーグラウンド・ブックカフェ」などは、古書会館に新しい客層(トンガリ系大学生や若い女性)を誘導する試みとして、ものすごくよいものだと思っていた。
ほんたうなら、古書組合が助成金でもだすべきと思う。
わちきは、古本はつまらない右肩下がりの現代日本社会に残された最後の桃源郷だと思ふてをる。
そこにおいて我々は果てしなくリコウになることもできようし、バカになることもできよう。