書物蔵

古本オモシロガリズム

秋山, 正美 (1929-2001)

先週の五反田で、たまたま『古本術』なる本を200円で買った。んで、著者について調べてみた。「仏像研究家,新世紀書房社長,昭和少年少女文学館代表」らしー。

  • 「大正・昭和少年少女の会」(代表・秋山正美) http://www.norakuro.info/taisyo-syowa.html
  • 朝日新聞』2001.10.3朝 訃報 「1日、心筋こうそくで死去、72歳」「昭和初期の子どもの暮らしにかかわる書籍・資料を収集、自宅に「昭和少年少女文学館」を開設」
  • 唐沢俊一唐沢俊一の酔狂読書録 5回 ホモ本の世界は奥深い」『創』(1997.4) p.90ー93 ※秋山正美『ホモ・テクニック』など
  • 古本術。 / 秋山正美. -- 夏目書房, 1994.8 「父は著述家として、多少は世間に知られた存在だった」p.189
  • 豊田正子秋山正美 「清貧対談「昭和の少女たち」:『綴方教室』の豊田正子と本誌『少年少女の昭和史』の秋山正美が語りつくした3時間 みんな貧しかったけど夢があったあの時代」『花も嵐も』(5?) p.52-55 (1993.6) ※略歴あり? 国会Z23-591
  • [ひゅーまん探訪]女性たちに強さを見た「少女たちの昭和史」の秋山正美さん」『読売新聞』1993.03.07朝 14頁 「母親が秋山さんを京都で産んだのは二十四歳の時。父親は二十八歳年上で、妻がいた。建築や美術史の研究家として知られた文化人だった。」
  • 文学季刊 牧神 第4号 特集 海洋冒険小説 1975 ※なにか書いている
  • 愛の通信法 / 秋山正美. -- 新星出版社, 1964 国会Y76-113 ※ラブレターを1万通集めたという。それが週刊誌ネタになったともあるが、大宅索引では見当たらず。
  • Shinto and its architecture.. -- [2d ed.]. -- Tokyo News Service, 1955. 国会299.56-A315s2

若いころの著作

やはり晩年の秋山氏は1950s-1960sの業績にいささか忸怩たる思いをいだいていたようだ。

数年前に、少しお固めの某誌で“思い出の一冊”という企画コーナーに原稿を依頼され、この本のことを書いた。そのとき、著者の秋山氏に編集者が図版使用の許可を取るため連絡したのだが、秋山氏からは、“あれは自分の文筆歴の汚点のような本なので、どうか触れないでいただきたい”と返事が来た、と連絡があった。私は、いや、汚点どころか、あれは出版史上極めて価値あるものだと考えている、と返答したのだが、氏はかたくなに拒否され、泣く泣く、これを取り上げるのを諦めたことがある。
唐沢俊一「裏モノ日記」2001年10月15日(http://www.tobunken.com/diary/diary20011015000000.html

まあわちきも唐沢氏と同意見だけど、1990年代末の秋山氏が触れないでというのもわからんでも、ない(が、やはり一度出した本にはそれなりの応答性が発生するわなぁ)