書物蔵

古本オモシロガリズム

序文の索引:はじめての主題の本のNDCは間違いやすい

某所で次のようなオモシロき索引をば瞥見。

  • 序文検索 / かわじもとたか. -- 杉並けやき出版, 2010.10

かわじ氏はこれまでも古書目録データをもとに、オモシロ目録を作ってきたお人である。なにやら古書展にも出入りなすっておらるるやうで、こりゃースレちがったりは確実にしていそう…(^-^;)
なかを見ると…
んー、これでも十分オモシロなんだけど、序文と前書き、跋文と後書きは日本の近代刊本では同じものなんだから(『出版事典』による)、それらも拾ってほしかった… 自序はOPACで著者名検索できるから、できれば他序(著作の編著者でない序者による序文)にあたる前書きとかね。
あと、これは出版社の都合とあるけれど、索引はない。で、まあ本体が序者の五十音順だからいいんだけれど、かわじ氏もいうやうに、人脈をさぐるという点から、他序が載っている本の編著者索引があったらすごかったのだが。
と、この本はオモシロなのだが…

オモシロすぎて司書には理解不能

やっぱす思ったとーり、NDCがどの図書館もまちがっとるねぇ(´〜`;)
webcat見ると、NDC9 : 025.9(古書販売目録)をつけとるとこばっかり。そりゃー材料として古書目録を使ってはいるけれど、これはあくまで、序文の索引だよ(・∀・`;)
じゃあ、NDLならまともだろうかと見てみたら、こちらも、025.1(一般・全国書誌)なんちゅー、さらにもっとトンチンカンなNDCになっとるね(*´д`)ノ
しょーもな(゜〜゜ )
こーいった、出版企画としては真の意味で初めてのものに主題標目を振るのがオモシロいところなのになあ、専門家ならば(´・ω・)
ん?(・ω・。) もう専門家はいないのか…(*゜-゜)
より妥当な答えは、027.3(特殊目録>諸家著述目録)あたりね。おなじ027のもとで、027.8(特殊目録>その他)にする手もあるけれど、わちきは、027.3のほうを推すねぇ(そもそも、「その他」という項目は、十進分類上タブーで*1、なるべくそのような項目は廃絶すべきことになっているから)。
せっかくのユニークな著書が、まちがった分類になっては、図書館で生かされないことになっちまわんかのー(*゜-゜)

*1:その他は、一桁上の0に格納するのが大原則。NDCに残っている「その他」という項目は初期の、十進分類の本質が表作成者にさえ不十分にしかわかっていなかった事実の名残り。