書物蔵

古本オモシロガリズム

「屠れ米英われらの敵だ! 分捕れ沙翁もわがものだ!」 …ん?(・ω・。)

森やうすけさんと知り合ったばかりのころに、書誌話をテンコ盛りで聞いたなかにあった本。

  • 太平洋戦争と英文学者 / 宮崎芳三. -- 研究社出版, 1999.2

このまへ、高円寺の古書即売会(んーとても古書展とはいへんので(^-^;))で、「これ、オモシロいですよ」と、これまた森さんに直接、現物を示され300円でかったこの本。
これがかなーりオモシロい。
大和, 資雄 (1898-1990)‖ヤマト,ヤスオ という人物が書いた『英文学の話』という本を狂言回しに、日本と西洋、あの戦争と日本人を考えるもの。

  • 英文學の話 / 大和資雄著. -- 健文社, 1942

文体が論文調でなくエッセイで、ところどころで著者宮崎さんと架空の大和ヤスオ氏の会話があったりして、かなり破格だけどオモシロ。

大和の『英文学の話』をひらいて最初の「序」を読む。すると目に飛びこむように、大きい活字で印刷した二行がある。「屠れ米英われらの敵だ!/分捕れ沙翁もわがものだ!」と言う。(p.39)

「屠れ米英われらの敵だ!」はマァいいんだけど(・∀・`;)
「分捕れ沙翁もわがものだ!」ってーのはふしぎ( ・ o ・ ;)
このふしぎな本の読解がこの本の柱なのである(σ^〜^)
で…
森さんが増田七郎のある文献をしらせてくれたんだけれども。
森さんいはく、

これは、貴兄の大東亞圖書館學研究にとって好エピソードとなるものだと思ひます。さう、喩へるならば、宮崎芳三『太平洋戦争と英文学者』が取り上げた大和資雄、「屠れ米英われらの敵だ! 分捕れ沙翁もわがものだ!」と唱へた英文學界におけるあの人物に圖書館界で相當するのが、増田七郎だと見做せるのではありますまいか(ちょっと烈しさが足りないけども)。

とぞ(^-^*)
とて、次回の『文献継承』にのせる「あったかもしれない大東亜図書館学 ; 3」は、

図書館の日本的とは何か?
 古川ロッパの弟がブチあげた図書館の日本性とは!? あたかもよし、帝國政府は英米へ宣戦し、大東亜戦争の中、図書館の日本性論争も進む! 黄海をはさんで繰り広げられた論戦は結局どうなった???

ということにいたしませう(σ^〜^)
ん?(・ω・。)
「2」はどうなったってか(^-^;)
いまごろ印刷されているにちがいない…