書物蔵

古本オモシロガリズム

図書館界の「友と敵」思考

なにやらbibliobloggerの不興を練馬区立の友の会さん方がかっちゃってるやう…
練馬区光が丘図書館利用者の会webページになんか図書館系(一部それ以外)ブロガーの記事を全文転載しまくったファイルが置いてある件」http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20080609/1213025422
練馬区立の利用記録保持についての論議がらみらしい。わちきはなにも言わんかったんで今のところは距離があるが…
まぁ書くとしたらやっぱbibliobloggerさんたちと同じようなことしか書かんかったろうけどね(^-^;)
保持の是非論はともかく、無断転載を他人には禁じとるのに自分たちはやっとてて矛盾してるというのが一般的なツッコミどころなのだが…

いやむしろ一貫しとるのでは

それもそうだけど、「情報は政治利用さるべし」というのがデフォになっとるからのぅ彼らは。敵方(行政)が情報を持てば絶対政治利用する、とおもっとるから利用情報保持・絶対反対なわけだし、逆に自分たちが情報を手に入れれば党派的利用を自然にできちまうのは、自分も含めて情報(著作でもよい)の取り扱いには一定のルールがあって、「敵」だろうが「友」だろうがそのルールを守ることが大事、と思ってないからだよね。だから、自分たちの正しい目的のためにルール無視ができちまう。
これはまったくもってあきれるほど一貫しているというべき。

同様の事例

いや、わちきも以前、合法的に『図書館雑誌』を読んだらオモシロな記事があったんで、単にオモロいとここへ書いたら、後ろから刺されそうになったことを思い出したよ。
どうやら、事務局や編集委員から裏で原稿を流してもらったと拙ブログを読んだ人物が思い込んじゃったらしい。
で、その人(か周辺の人物)が

最初の論文だけについて,『図書館雑誌』が送られてくるかなり以前に,公共図書館員が匿名でやっているブログの中で論文の中身が流れていたようである。流れるのがだめだということではないのだが

などとJLA定期総会(2006年度)で調査を要求。
詳しくは→【図書館雑誌は】「よしの冊子」がゴシップになってるよし【永遠に】(図書館雑誌のゴシップ読み)http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20060823/p1
あのねぇ。
編集段階で外に流れるのは「だめ」なんだよ。事前検閲みたいなもんだから。

図書館界の「友」と「敵」

それともなんですかい? 教条に反する記事は事前検閲するのは「だめ」でないのですかい?
「敵」ならば手続き違反でとがめだてするけど、「友」ならばとがめないというわけですかいの。
結局この件では編集委員が査問に現れるようなこともなく、なーんもなかったが。
だってあたりまえ、わちきは合法的に公刊された『図書館雑誌』を読んだだけなんだもの。
わちきが「流れた」原稿を読んだと思い込むってのは、事前検閲してよいと(ご本人が正直にも告白しておるが)思っているからなのだよ。
館界の1970年代派というか貸出派というか、そのテの人たちが困るのは、自分たちが正しいと信じるあまりに、少しでも異なる意見の人ときちんと議論しようとしなかったり、むやみに党派的にうごこうとしたり、正しい目的のために不正な手段をとろうとするところなんだよなぁ(*゜-゜)
わちきとて1970年代の貸出はまさしく当時の時流にのった正しい政策だったと認めるにやぶさかでないし、平成日本でも貸出重視が妥当な図書館もあろうと思うのに。
かれらの教条にだってよい部分はあると思うのだがの。糸賀先生だって根本先生だって薬袋先生だって一分の隙もなく正しいわけでもないのだし…
けど。

「敵」のなかに「友」をつくるのがよいのでは

教条主義ばっかやっとると友達できんよ。
ってか、古い『図書館雑誌』を読むと、もっとみんな、ほんとうの異論をぶつけ合ってたのしそうである。
いまはどっからも反応のなさそうなつまらないもんばかり。威勢のいいのはコミッサールのコラムだけとはなさけない。このまえの『ず・ぼん千代田図書館座談会みたいに、ほんとうの異論をぶつけ合うような場が欲しいものである。
保守派や右派、市場主義者(ってそんなんいるのか?)を巻き込んでこその「日本」図書館協会と思うがの。
それとも、もう「日本」を代表する図書館団体ではないのか?

参考

「友・敵関係」と公共性の喪失
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