書物蔵

古本オモシロガリズム

図書館目録データのタテマエと実際

myrmecoleonさんとこで、氏のエントリの話題とはややずれるけどこんなことが眼にとまった。

2:一種のタグである図書館の件名は前回やったノリで,適当な本を見つけてから似たような本を探すときによく使用します

とある。
ところがこれが、図書館情報学サマなるもので教えてもらえない。
件名システムのタテマエは、参照形なるものがあるから、それを引けということになっておる。でも実はこれ、ぜんぜん使えない。
既知文献の検索でもよいし、タイトル(自然語)の適当な検索結果でもよいから、とにかく類書のデータを見つけて、それに付いている件名から再検索するのが、実は、現在ではいちばんいい(実務的に正しいと言ってもよい)件名の使い方。
でも政治的に正しくないから、このようなノウハウは図書館情報学系の教科書にないんだよね。現場では大昔からやっていることなのに。
唯一の例外は、辻由美『図書館であそぼう』1999(講談社現代新書) だけど、これもよく考えたら非図書館情報学徒だったね。
件名なんて、学術的にはオモシロくないから研究者なるものはテンから馬鹿にして論題にしないし、一方で件名委員たちも、実用性に背を向けてきたから日本じゃあぜんぜんダメダメですな。
きちんと付けられたものを、きちんと引ければ実はレファレンスに立つのにね。
最近、NDLSHのシソーラス化がなされたけど、そんなことは学者連中にまかせりゃいーんで。それよか、特定の書誌にまちがった標目がつく割合を極力へらす(品質管理)とか、地理区分や時代区分をすべてにつけるようにするとか、そーいった実用性について心配する人はいないのだよなぁ(*゜-゜)
って一度愚痴ったか…
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20070408/p1