書物蔵

古本オモシロガリズム

近代有名人系図集デタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

昨日、八重洲ブックセンターで買った猫猫先生の新刊、読了。
予想以上にオモシロかった。
小谷野敦『日本の有名一族:近代エスタブリッシュメント系図集』幻冬舎2007(幻冬舎新書
友人もびっくりしてた、『日本史要覧』だったかにもっと硬いのがあるほかにはなかなかないそうな*1
わちきみたいに、日本図書館史などというとっても狭い領域に興味があるもんでも、いろいろオモシロな人たちが出てきた。たとえば…
湯浅半月(図書館学者)が「徳富蘇峰・蘆花の一族」に(p.68)
島尾敏雄が図書館で働いてたとか(p128)
円地文子と円地与志松*2が結婚したときは与志松のほうが有名だったとか(p.183)
矢川徳光(教育学者)の娘が渋沢竜彦の最初の奥さんだったとか(p.33)
でもイチバンびっくりしたのは…
後藤新平鶴見俊輔の一族」に市河彦太郎(外交官)が出てきたことかしら。(p.179)
文学史や芸能史に興味がある人だったらわちきなんかより数倍たのしめるハズ。
これは意外と売れるかも…
おしむらくは…
人名索引がない(´・ω・`)

*1:閨閥一覧」『日本史総覧. 6』今井尭 新人物往来社 1984 p.280-298 皇族関係の「総図」、箕作阮甫を中心とした「学界」、岩崎弥太郎を中心とした「財界」、山県有朋を中心とした「政界」の系図がある。ただもちろん、事実関係のみで小谷野著のようなオモシロさはない。

*2:ほとんど知られていないが、昭和20年代中井正一と国会図書舘副館長の座をめぐり争ったそうな。