書物蔵

古本オモシロガリズム

アッパレ書盗作家ここにありっ! 来月の「全国図書館大会」に来たる!

彗星のように?消えた「日本主義図書館学」の復活を、悪辣にも目論んでをるわちきであってみれば……。英米に書盗作家があると専門誌に載らば、やはり、おなじものが日本にもあるぞよ、と言うてみたひ。

ホヘホヘ 全国図書館大会に間に合ったよ!

この日本に唯一*1の、図書館本盗難の日曜研究家オタどんの真似をして。さらには、来月に迫りくる全国図書館大会を祝して。
 『現代の図書館』のフシギな資料破壊特集に触発されて、遅筆堂さんの告白を思い出した(正確には友人Aに思い出させられた)のだけど、よーやっと典拠が見つかったo(゚ー゚*o)(ノ*゚ー゚)ノ
 「1エントリーには1書誌を」(@書物蔵) (''One blog entry, One bibliographic entry!'' ←どっちも英語だとエントリって処がミソ。思うに、日本図書館学でentry を「記入」などと訳したのはなんとも。「一筆(いっぴつ・ひとふで)」と訳すとナントも「雅」でよくないかい(・∀・)? もちろんheadingは標目じゃなくて「頭書き(あたまがき)」)
さてさて、引用開始(`・ω・´)ゝ

図書館を毀ち、苦学生バイトを陥れる!!!

サァ、これから始まるオハナシは、これすべて本当のこと。ってご本人がいうんだからまちがいない! って、戯作者のホントって本当なのかって?! それは読んでからお客さんのお心次第!
〜〜〜
時は昭和も30年ごろ〜♪ベベン! 処は武州は東京のこと〜♪

■いじわる司書に反撃す
 (略)
 もちろん大学には図書館がありました。釜石〔の24時間営業図書館〕で感激してますから、ここも通いつめた。ところがこの上智大学図書館がひどかった。
 夜八時まで開いているんですけど、借りた本はそれまでに必ず返さなければいけない。返さないとバツ印がついて、次から借りられなくなる。ところが、こっちもアルバイトの都合やなんかで、そう時間通りにはいかない。遅れまいと必死で走っていくんですが、館員に厳格な人がいて、一秒でも過ぎると返却を受け付けてくれないんです。「これ受けとってくれないと次の本借りられないんだ」って言うと、「いや、だめだ、規則だから」の一点張りで、融通が利かないんです。八時ちょうどに鎧戸を下ろしはじめるので、下に足を突っ込んで何とか隙間から本を返そうとするんですが、逆に足を蹴飛ばされたり――(笑)。
 この館員に怒ってる学生がたくさんいたんです。そこで、みんなで「よし、あいつに一度、泡を吹かしてやろう」と相談一決、大学図書館が一番大事にしてる本を盗んでしまおうということになった。
 図書館を入ったところにガラスケースがあって、そのなかに大事な本が飾ってある。「あいつが番してるあいだにこの中から盗んじゃおう」(笑)……。
 その館員は五時から来るんですね、というのは彼もアルバイトなんですよ。図書館で働いて生計を立てながら、上智の大学院で勉強している。今、考えればじつに見上げた苦学青年ですが、僕らを怒らせたのが運の尽きだった(笑)。
 まず、五時ごろ彼が来たときに、一人が「あのガラス張りの中の本を見せてくれませんか」というふうに訊くわけです。すると、彼は「だめだ、あれは教授とか、特別の許可証がないと見せられない」とけんもほろろに断わる。これで、その本が五時に確かにあったことを、まず向こうに飲み込ませるわけです(笑)。その後で、仲間がつぎつぎに彼のいるカウンターに殺到して、本を借り出す、苦情を並べる、日頃のお世話のお礼にとアンパンをさしだす(笑)。そのすきに、本を持ち出して、神田へ売りにいって、そのころ流行の「なんでも十円寿司」で腹いっぱい食べました(笑)。
 後で彼はすごく叱られたという噂を聞いて、溜飲を下げましたが、後日談を言いますと、彼は後に有名な評論家になられました(笑)。
 図書館で大事なのは館員ですね。館員が、同じ本好きの立場で、「わかった、わかった。一秒遅れたけど、返したことにして上げよう」と言ってくれれば、僕は図書館離れしなかったかもしれない。(p.112-114)

だってさ(・∀・)
つづく

*1:関連するもう一人の日曜研究家、諸橋氏は盗難というよりも書込みの研究がメイン。