書物蔵

古本オモシロガリズム

保守反動のビザンツ主義

(O)というペンネームの人が、『図書新聞』(2830)(2007.7.21)p.3につぎの本の書評を書いている。
ロシア「保守反動」の美学 : レオンチエフの生涯と思想 / 高野雅之著. -- 成文社, 2007

ラズノーチネツ(雑階級人)の出現は、なぜ社会的な価値の多様化に向かわず、陳腐なメシチャンストヴォ〔俗物根性〕を蔓延させてしまうのか。

前近代的な支配から解放された平民が、なぜ、立派な市民などにはならずに、大衆になってしまうのか、ってことだね。

彼のいう「ビザンツ主義」は、近代ヨーロッパの様式が合理主義などの西欧化、鉄道に代表されるような時空間の均一化、そして人間の平等化に対抗できる理念のことだった」

このコンスタンチン・レオンチェフって人の思想は、なんとなく呉智英氏の「封建主義」に似ている。