書物蔵

古本オモシロガリズム

東亜研究所の立役者、大蔵公望について

柘植秀臣の人物評(『東亜研究所と私』)。

東研の副総裁としても、名目上だけでなく人事、業務計画についても指導していたので大蔵の考え方が東研のあり方を左右していたといっても過言ではない。
調査委員会の設置やその組織作りには非常に熱心で、たいていの調査委員会の委員長になっていた。(略)報告会にはいつも出席するという熱心さであったし、(略)質問は鋭く、実に頭の回転が速く、明敏でしかも記憶力のよい人だと思ったことが何回もあった。(p.39)

なるへそ。

東研の書院による調査報告書もよく読んでいた。報告書にたいする批評もよくしたが、多くの場合、班主事を通して批評するというやりかたで、直接所員にいちいち細かいことはいわなかった。(p.39)

直接、いちいち細かいことを、とくにテニオハなどの本質に関わらないところを批評するようじゃあ、調査機関の有能なリーダーじゃないということですな。