掘り出しとは、掘り出し物であり、「日国」に従えば、「思いがけなく手にはいった珍しい物。また、安く手に入れたよい品物。」ということである。
つぎに平成19年、2007年のわちきの掘り出し本を挙げてみん!`・ω・´)シャキーン
1)『書病攷』沢田兼吉著 台北:台湾三省堂 1942.5
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20071214/p1)
なんといっても今週手に入れた爆裂レアな戦時図書館本。「科学的」資料保存論の嚆矢。昭和期図書館学が、平均的実態はともかくとして、最先端の言説においては米国図書館学に勝るとも劣らぬだけのアイテムをそろえつつあったという、なによりの証拠になるのじゃ。これに注目するのは拙ブログが日本、いや、世界で最初であーる!`・ω・´)o レア度A+++ 清泉堂倉地書店より5000円
2)『動く図書館の研究:附・図書館に於ける外交戦』楠田五郎太著 東京:研文館 1935.11
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20070604/p2)
最近ようやく評価されはじめた、満洲に消えた楠田五郎太の、主たる業績がこれ。昭和前期ブック・モビルの得がたき資料! レア度A+++ 金沢文圃閣さんより12,000円 でも爆裂レアだし抽選もあったみたいなので妥当ではある。しかしこの値段でこのパンフに注文が重なるというのは、ある意味スゴイ。
3)『業務概況』 [上海]:中支建設資料整備委員会 1941.3
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20070708/p4)
南京陥落(1937.12)後における、日本による資料「保全」の活動を伝える主要な史料。この委員会があつめた80万冊の図書は、国民政府行政院、文物保管委員会の、「図書専門委員会図書館」の蔵書となっていく。まさか現物がゲットできようとはとは。 レア度A+ ?より4000円
4)『青少年読書指導』岡本正一編 東京:厚生閣 1943.3
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20071103/p1)
戦時中にも図書館論争があった! (当時は隠れマルキスト教育学者)矢川徳光と邦造タンの読書会の指導性論争! レア度A+++ 古書現世さんより500円(わめぞ市)
5)『讀書會指導要綱』 東京:日本図書館協会 1942
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20070304/p1)
国民読書運動でははずしちゃいけない史料。ってっても、翻刻が『総力戦と文化』第2巻に収録されとるんだけどね。中田邦造タンと、その三羽烏(梶井重雄さん、東田平治さん、川辺甚松さん)の息遣いが伝わってくるやう… レア度は若干低いので(といっても十分レア)、図書館史マニアとしては手許に置きたいところ。 レア度A ?より
6)『海外國立図書館の概況』 新京:國立中央図書館籌備處 1940.5
現在ただいま、図書館省になりかわりつつあるTRC発足にまで関わったという日本図書館界の大立者・彌吉光長の業績。レア度A+++ ?より
7)『マルクスに凭れて六十年』岡崎次郎 青土社 1983.2
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20070119/p1)
名著にして奇書。後半は満鉄調査部もの。レア度B 南部古書会館(五反田)にて100円
8)『簡明十進分類表並索引(改訂増補 2600年版)』毛利宮彦編著 圖書館事業研究會 1940
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20070505/p1)
早大図書館学の奇才、毛利宮彦のつくった十進分類。 西部古書会館(高円寺)で500円
10)『公共図書館とともにくらして』小河内芳子著 いづみ書房 1980.8(くさぶえ文庫)
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20070929/p2)
京橋図書館(東京市立)史 レア度B マケプレたんぽぽ書店にて1000円
(番外)『行政院文物保管委員會年刊 民國32/33年』褚民誼[編] [南京]:[行政院文物保管委員会] [1944] レア度A+++ のコピー
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20071006/p2)
東洋初の遠隔複写サービス「通信資料部」の1943年と1944年の活動がわかる! 国内にない! のにコピーとはいえ、なんでわちきが持っているのか!!! ありがたくも天から降ってきたなりよ〜 いや、実際、拙ブログ開闢以来、資料が降ってきたのははじめて… コピーをよーくみると、なんとなーくNDCっぽい記号がみえるから
(番外)物体X,Y
(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20071021/p2)
これは秘中の秘。とんでもない資料群を買ってしまったのであった…(*゜-゜) 計○万円。レア度爆裂。それぞれ別の古書店から。書誌鳥さんたちにのみ披瀝す。
掘り出しまとめ
出版地が台北、上海、新京、南京など、外地(朝鮮・台湾)や外邦(満洲)などを併せた「大東亜共栄圏」が多いですな。って、わちきの野望は「大東亜図書館学(仮称)」を悪辣にも蘇生さすことなのだからして、あたりまえか(・∀・)
値段は、わちきとしては例外的な10000円超えから100円までいろいろ。おどろいたのは「外市」で数年来捜し求めていた図書館本を友人がみつけたこと。その時わちきは京都へおしのび古本探索していたのじゃが。
オモシロがって、こんなの作ってみた。
2007年書物蔵、古本入手(実績)カレンダー
1月 | 『マルクスに凭れて六十年』を買う |
2月 | - |
3月 | 『讀書會指導要綱』を買う |
4月 | - |
5月 | 『簡明十進分類表並索引』を買う |
6月 | 『動く図書館の研究』を買う |
7月 | 『業務概況』を買う |
8月 | - |
9月 | 『公共図書館とともにくらして』を買う |
10月 | 『行政院文物保管委員會年刊 民國32/33年』が天より降る |
〃月 | 物体Xを買う |
〃月 | 書肆アクセス文献目録に微力ながら協力す |
11月 | 『青少年読書指導』を譲らる |
12月 | 『書病攷』を買う |
こうしてみると、1月に1回ぐらいはレアな図書館本をかっとることになるのだなぁ。意外。
「古本強化月間」を宣言した8月がフルホン日照りだったのはご愛嬌。年末になって爆裂レアな戦時図書館本を入手できたのはよかったo(^-^)o
次回は、「わちきの図書館史研究2007・5大トリビア」あたりをやろうかしら(^-^*)