書物蔵

古本オモシロガリズム

芝富読書指導者養成所「閉鎖」の正確な日付について

画像は養成所前。むかって左から川辺甚松さん前が東田平治さん右が堂前貢さん

図書奉行タンが(財)満読と、その配下たる芝富読書指導者養成所を混同しとるみたいなんで。ちょっとわちきも資料をひっくり返してみた。
以前に一度、

財団法人満洲開拓読書協会静岡県下芝富村に読書指導者養成所を設けたのは,去る昭和十九年二月十一日のことであった。そしてそれが閉鎖を見たのは同年八月であるから,開設期間は僅か六ヶ月の短い間に過ぎなかったのである。(p.2)

堀内庸村『芝富読書指導者養成所経営・教育の理念と方法について』私家版〔1945.1〕19p(山口県立山口図書館蔵)
と、2代目の所長の文章を引用して示し、わちきも「閉鎖」が昭和19年8月だと思ってたけど。
なんのことはない、別系統のより信頼のおける資料をみたらば。

しかし時局の急迫と組織・運営の面での支障で止むなく同十九年九月十日、養成所は閉鎖された。(p.236)

とあり。
芝富読書指導者養成所の「閉鎖」は確かに事実で、それは1944.9.10であった可能性が極めて高いということがいえる。
友人がいつも「図書館史って活字の史料すら読まれてないですよ」といっているが、げに。