書物蔵

古本オモシロガリズム

日配でなく文協ぢゃった S18、2月あたりの出版物から?

奥付に著者略歴(いぜん一緒に働いたS賀さんは「チョレキ」と言ってたなあ―彼はゴーストライターやっとったから出版業界用語かしらん)が掲載されるやうになったんは戦時中からなんだけれど、いつから、何を根拠にさうなったのかが永らく不明ぢゃった。
それが今回はっきりした。
ってか、発令元は文協、指示内容は次のとおりだけれど「会員諸氏の協力を希望する」とあるので義務でない。

書籍に編著者又は訳者の略歴掲載について
 読者が編著者又は訳者の略歴を知ることが出来れば、其の書籍の内容と特質とを概念的につかんで其の選択に便宜を与へるのみならず読書指導の一助にも良効果を齎すものである。
 本会〔文協〕はこれが必要を認め、特殊の場合を除き昭和十八年一月二十日以降出版企画のものから次の要項に基いて、編著者又は訳者の略歴を書籍の適当な場所に掲載していたゞくやう会員諸氏の協力を希望する。
 書籍に編著者又は訳者の略歴掲載要項
一、編著者又は訳者の略歴を書籍の奥付の上部等編輯の都合上適当なる所を選定して掲載すること。
二、略歴については大体左記項目の内より適宜之を記載すること。
(イ)学歴
(ロ)職業(現職又は主なる前歴)
(ハ)既刊の編著書又は訳書名
三、翻訳書については前項の他特に現著者に関して左記項目を付記すること。
(イ)現著者の略歴
(ロ)原著発行の年代及びその時代観
(ハ)読者の原著に対する批判

おそらく、同時に開始された買切制と連動するものであるらしい。