書物蔵

古本オモシロガリズム

いっぱこで拾ったサブカル本は、仮性図書館本だった(・o・;)

水曜にいっぱこ古本市で拾ったこの本。
オタク・イン・USA : 愛と誤解のAnime輸入史 / パトリック・マシアス著 ; 町山智浩編・訳. -- 太田出版, 2006
これは、おもろうて、やがて悲しき日米文化のズレがわかるとっても良い本なのだが。
2箇所だけ、図書館学関連の記述が。
ひとつは、日本アニメをトンチンカンに褒め上げるニューアカっぽいアフォ本を、これまた褒めちゃう書評が『ライブラリー・ジャーナル』に載っていたというもの。
いやぁ(・∀・`;) 図書館員の書評ってば、そんなとこでござるがな(^-^;)
もうひとつは、もっと深刻な。

わしゃ、世界最年長のオタクだ! 生涯を日本のアニメ、マンガの普及に捧げたフレッド・パッテン(p.232-237)

という記事がある。
これは、1940年生まれで64歳という著者にいわせれば「おそらく世界最年長のオタク」で、手塚治虫なんかとも仲良かった米国オタク界の重鎮なわけなんだけど。
この人、本業はといえば。

趣味の世界での活躍と比べると、フレッドの本当の仕事はそんなに華やかなものではなかった。彼は1969年以来、あのハワード・ヒューズが創立したヒューズ航空会社の文書課で、技術文書のカタログ化業務をしていた。(略)病院のカルテ係と同じような、朝から晩まで書類を整理するだけの仕事らしい。(略)しかし1990年、航空産業の斜陽化にともないリストラされてしまった。

世界最年長のオタクはドキュメンタリストだった… (・o・;)ほへー
それどころか。

オタクの鑑、フレッドがいまだに後悔していることがある。大学で司書学を専攻し、1963年に卒業してすぐその夏に就職したのだが、勤務は日中なので、その9月からアメリカで放送された "Astro Boy" つまり『鉄腕アトム』を観ることができなかったのだ。

いやさ、アトムはともかく、「大学で司書学」って!(×o×)
ここで「司書学」と訳されているものは、きっと、library scienceではなく、librarianshipだね。
かつて一度、わちきは「司書道」と訳すべきだとアジったが、「司書学」ってのもよいかも(^-^*)

ちなみにフレッドはこの歳まで独り身である。

あーあ(・∀・`;) やっぱり…