書物蔵

古本オモシロガリズム

「日本の古本屋」を記事索がわりに使う

知りたき事をつれづれなるままにググりて、文献検索に成功せり。

日本の古本屋の、過去データを手がかりに

楠瀬日年(評伝)掲載 「大阪手帖」19-11
書斎管見と楠瀬日年 中島宗是3頁
http://www.kosho.or.jp/list/388/02777608.html

昨年の途中から「日本の古本屋」は掲載情報が保存されるようになった。これはその一環で残っていて、わちきの検索にひっかかったというわけ。
書斎研究本(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20050205/p2)を掘り出してから、この本についての記事はないかと探してたのだ。

書誌データを復元

古本屋の記述だからいろいろ難ありなわけだけど、これを一般的な形に書き直すと、おそらく、こーなる。

中島宗是「書斎管見と楠瀬日年」『大阪手帖』19(11)(1974.11)p.3- 
(あくまで仮想の書誌)

出版年の類推

19巻11号は元ネタにあるけど、出版年の類推は、いったんwebcatで所蔵館をしらべ、そのなかから雑誌をこぺつにデータにとってる日本近代文学館のサイトへとび、さらに同じ19巻の他の号(この号は未所蔵なので)をみて、ほぼ1月に1号あてでこの時期は出ていたから11月号だろうと。

裏ワザ

これでわかるよーに。

ごく稀なケースではあるが、日本の古本屋(の過去データ)が雑誌記事索引の代用として使える場合がある

というのは、まだほとんど知られていないのでは(・∀・)
もちろんこれは最後の手段で、一般的には進められない。きちんとNDL-OPACの記事索と、コウセイシャの記事索あたりを引いて、みあたらない、さて専門書誌にあたらねばならんが、どーすべーかなぁ。って時に、ダメ元でやってみるもんではある。
上記、仮想上の書誌をメモにしたわちきは、あとは所蔵館をさがして、行ってコピーすればよいわけじゃ。

まてまて

(’0’*)あっ、肝心なことを忘れとった。
この中嶋, 宗是 (1918-) ‖ナカジマ,ソウゼ さんが、この記事以降、単行本を出していないか調べる必要もあるでよ。
ってーのも、この記事がリライトされて単行本に収録されることも大いにありえるから。
調べると、本の醍醐味 / 中嶋宗是. -- 関西市民書房, 1981.9 って本が出ていて、主題的にも近い*1から大いにアヤシイとわかる。
まずはこっちの本を調べてからだね。

追記(2006.1.7)

ホンのダイゴミ… ハテどっかで見たような…
持ってたよ(^-^;(2006/4/26(水)の記事参照)
さ・ら・に!
奇跡的に発見もできたo(゚ー゚*o)(ノ*゚ー゚)ノ
見たら…
やっぱり。
『書斎管見』についての記述があった!!!
うーん、でも、本をみて判ること以上のことは書いてない(´・ω・`)

これはとってもオモシロい本なので、近いうちにきっと再評価されるだろう(趣旨)

ということが書いてある。
ナルホド。
これから判るのは、1980年ごろの愛書家は、『書斎管見』についての記述を見たことはなかった(らしい)ということだね。
1980年代以降の言説をしらべて、この本についての記述がなければ、読書界でこの本についての関心はあまりないと言っていいということ。
もちろん、そんななかでも一部の古書店がかなりしっかりした相場をつけていることは、この本についての知識が(価格という表現形であっても)古書業界には息づきつづけているということなんだけどね。

*1:当然、わちきはタイトルからだけでなく、分類・件名も見て言っている。