書物蔵

古本オモシロガリズム

PR誌『文献継承』総目次

文献継承とは何か?

ちょっとフシギな出版社、金沢文圃閣さんとこのPR誌だお。次にNIIの目録を引用せん。所蔵の「+」は継続受入(予定)の意味。

文献継承 / 金沢文圃閣 [編]<ブンケン ケイショウ>. -- (AA1206374X)

1号 (1999.7)-. -- 金沢 : 金沢文圃閣, 1999-

著者標目: 金沢文圃閣<カナザワ ブンポカク>

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所蔵図書館 4

皇学大(伊勢) 13-14<2008-2009>

国文研 書庫 1-5<1999-2003>

石県図 1-3<1999-2001>+

二松九段 11,13-15<2008-2009>+

入手法

1 最近知ったのだけれど、古本販売サイト「日本の古本屋」にこんなものが載っていた。

『文献継承』

金沢文圃閣編 書物蔵ほか、金沢文圃閣、2008〜

13、14、15号各号。リーフレット。1号当たり100円。代金分切手ならびに送付先封筒を同封小閣宛お送りください。他号は品切れです。

ほへー( ・ o ・ ;) わちきも知らんかったよ(σ^〜^)

2 新しいものが出たら、古書現世(早稲田)か東京堂ふくろう店(神保町)の頒布コーナーに、わちきが置かせてもらっておるですよ。けふ現世さんに行ったら、まだ少しあったです。
3 どっかの図書館にある金沢文圃閣が出した本に挟まっているかも… まぁ、県立や大学図書館に限られるでしょうけど…

ということで、総目次

記事の多くは、1〜3ページのエッセイ。何ページもくだくだと書くのは書物蔵ぐらいか(^-^;)
『年ふりた…』というフシギなタイトルをもつ古書販売目録と合同になることがたまにある。
※はわちきの注記ね。

■1go(1999.7)※『文献探索2001』に再掲載

○発行ごあいさつ
○北陸金沢が生んだ文献索引の先駆:石川県勧業博物館『勧業諸報標目』と編者武蔵規一郎(その1) / 稲村徹元
天野敬太郎『雑誌目次索引集覧増補版』について / 浦西和彦

■2go(2000.7)※『文献探索2001』に再掲載

○北陸金沢が生んだ文献索引の先駆 / 稲村徹元(その2) ※「『勧業諸報標目』を生む舞台となった県勧業博物館は兼六園内に設けられ、編者武蔵規一郎の職場でもあった」。米国のプールによる雑誌記事索引とほぼ同時期に日本でも記事索引が作られ、それを作った機関は、古代アレクサンドリアなるムーセイオンよろしく、博物・図書の機関であり、データベースも開発していたというオドロキ。
○書誌賛嘆 ※本の短評
変奇館の主人(中野朗1999) 実用シャーロッキアナ便覧(日本シャーロック・ホームズ・クラブ, 1999) 大原社会問題研究所雑誌. (通号 494・495) [2000.02] 創立80周年・法政大学合併50周年記念特集 大原社会問題研究所の過去と現在 福島県図書館関係刊行物一覧(福島図書館研究所, 1999)
○金沢書誌文庫目録1 ※日本索引家協会の旧「書誌索引文庫」の書目
○紙上販売書物目録 ※「ある老翁の蔵書」で「戦時・占領期に発行された本」と雑誌31点。コメントつき。

■3go(2001.9)※『文献探索2001』に再掲載

○ようやく宝庫の鍵を得た思い:『図書館学関係文献目録集成. 明治・大正・昭和前期編』の発刊 / 稲村徹元 ※「”天野書誌学”再評価の第2弾」と評する。「歴史上の図書館人」の手がかりであるともし、実際に、戦前派図書館員に訊かれた「田所某」が田所糧助であるとすぐわかることなど。
○書誌賛嘆
近世書籍文化史研究文献目録:補遺1 出版ニュース社の五十年 年表・北海道図書館 奇人伝伝 北の文庫30、31 坂本亮著作著作目録
○長土塀の机上にて ※主人の一言。徹元氏指摘の人名索引の読みが大変だったこと。
○金沢書誌文庫目録3
○書誌採録時、書誌を5分じっと見る / 深井人詩 ※「書誌は、5分間見るのですよ」という天野敬太郎のモットーについて
○文献探索・書誌日記 / 同 ※国会、丸善などへ行った話
○『雑誌記事文献事典』新版作成意義Q&A / 同 
○『同』新版編集 / 田川浩之
○長土塀の机上にて ※パートを頼もうとしたら斡旋してもらえなかったこと

■4go(2002.7)※『文献探索2001』に再掲載

○これからやってほしいこと:『図書館学関係文献目録集成:戦後編(1945-1969)』の課題 / 稲村徹元 ※石井敦先生に図書新聞(2002.5.18)で褒められたこと。館報類の所蔵が不明なこと。1945-1949年の雑索が必要なこと。3月に「古巣」図書館学資料室が廃止になったこと。
○書誌賛嘆
○『図書館学関係文献目録集成』全4巻総索引について / 田川浩之
○金沢書誌文庫 ※保管のこと
○長土塀の机上にて ※1960年代に公共図書館が貴重な婦人雑誌を捨てたケース
○金沢書誌文庫目録4

■5go(2003.5)※『文献探索2001』に再掲載

○これからやってほしいこと<続>:『図書館学関係文献目録集成:戦後編(1945-1969)』の課題 / 稲村徹元 ※戦前の地方雑誌、地方教育誌に遺漏が多いだろうという指摘。
○ポチ君の書誌案内 / 菅野俊之 ※『日本書誌の書誌』福島版をつくったこと。そのため古本購入したこと。
○書誌賛嘆
○金沢書誌文庫 ※保管のこと
○長土塀の机上にて ※大阪府立図書館の紀要が廃刊になったこと。
○金沢書誌文庫目録5

■6go(2003.12)※『文献探索2004』に再掲載

○書誌賛嘆
『20c.-21c.マスコミ・ジャーナリズム論集』(11)(2003.2)の書評新聞史記
○書物史片々 雑誌協会vs.朝日新聞・豆戦艦 / 森洋介 ※1932年の雑誌協会による「東朝」への出版広告ボイコット事件。「雑誌博読会」をめぐるゴシップ
○金沢書誌文庫 ※保管のこと
○長土塀の机上にて ※流行語「サクッと」が「索ッと」につながるといいなぁという希望的観測。
○金沢書誌文庫目録6

■7go(2004.7)

○書物史片々 レイアウト用紙の誕生:春山行夫の発明だった? / 森洋介 
○金沢書誌文庫目録7について 深井人詩
○金沢書誌文庫 ※保管のこと
○長土塀の机上にて ※堀込静香氏が書誌の校了翌日に死去されたこと。
○金沢書誌文庫目録7

■8go(2004.10)

○戦前出版流通史資料探求 / 戸家誠 ※戦前期取次の広報誌が東京堂を除き残っていないこと。東海堂『図書雑誌月報』、北隆館『〃月報』、大東館『書籍雑誌月報』。満洲書籍配給の『満配月報』も「幻」とぞ。出版業界紙、書店向け情報誌も同様とのこと。
○書物史片々 経済誌に出版史料あり / 森洋介 ※新聞紙一面全面の出版広告がなぜやめになったか
○書誌賛嘆
○金沢書誌文庫目録8
○古書目録『年ふりた……』臨時号

■9go(2005.7)

○出版流通史研究のための基本文献について / 戸家誠 ※書誌学や編集についての歴史研究書はあれど、流通・販売史のものはほとんどないので、史料となりえる本を紹介。
○書誌文庫他より
○金沢書誌文庫目録9
○書物史片々 サイン本の来歴 / 森洋介 ※サイン本と署名本の違い。サイン本の起源は占領下にありとする。
○古書目録臨時号

■10go(2007.3)

○落穂拾いのように出版人資料を探す / 戸家誠 ※戦前出版人の史料となりえる本を紹介。
○図書館史の空白 / 書物蔵 ※戦時期読書会=合コン説を紹介。
○書誌たより
○金沢書誌文庫から→志賀町立図書館深井書誌文庫へ ※日本索引家協会のコレクションは標記図書館に収められたとのお知らせ。
○古書目録『年ふりた……』臨時号3

■11go(2008.2)

○今によみがえる林靖一(1894-1955) / 小林昌樹 ※日本で開架を本当の意味で始めたのは通説の山口県立(1907)ではなく、鉄道図書館(1923)であると説く。
○古書目録『年ふりた……』臨時号4
○書誌たより『日満文化協会の歴史』 ※岡村敬二氏による私家本を紹介。

■12go(2008.6)

○2008年現在、「書誌の書誌」採集方法 / 中西裕(ゆたか) ※「書誌の書誌」のデータ採録の苦労。わちきも読んでびっくり(×o×) ほんとうに頭が下がる(・∀・`;) 国会がなんらかの手助けをすべきではないかと…
○長土塀の机上から / 金沢文圃閣 ※中西先生の奮闘へのねぎらい
○古書目録『年ふりた……』臨時号5

■13go(2008.12)

○刊記判定のむつかしさ / 谷沢永一 ※太田正弘『寛永版目録』私家版H15の紹介。
○新書は何でもありの器だ / 岡崎武志 ※昭和30sの新書ブームにエロがあったこと。
○戦時読書運動の決定的瞬間:堀内庸村と国民読書 / 書物蔵 ※戦時読書運動のキーパーソン、堀内庸村のプロフィール。昭和18.6.22(火)の記念写真(ちょと小さすぎるが)にあの人*1が写っていることについて。

■14go(2009.6)

○全日本図書館員組合の活動をまとめて:その成立と解散までの経緯の再確認 / 渡辺志津子 ※日本史上で最初で最後の、図書館司書による単一産業労働組合単産)、「全日図」について資料の残存状況。
○古本界の重爆撃機!:『古本年鑑』と古典社の渡辺太郎 附.年譜 / 書物蔵 ※古本好きが以前から知りたかったのに知られなかった出版社、古典社(沼津市)について、意外な事実。

■15go(2009.10)

○「樺太楠田五郎太」余聞:目録、NDC、そしてアメリカ / 米井勝一郎 ※Library extension(図書館拡張)一本やりにみえる五郎太の活動に、資料組織化の側面を見る。
○ゴロウタンは三度死ぬ:米井論文(1996)に先行する楠田五郎太関連文献の批判的検討 / 書物蔵 ※戦後の図書館学文献に、楠田五郎太がどのように<語られていないか>を検討し、なぜ米井勝一郎氏まで忘れられていたのかを説明。
○マンガ研究の文献:古本・収集・閲覧 / 松田有泉 ※マンガ研究をするのに基本的な書誌や研究書を参照できる環境が市井人ないことを指摘。

■16go(2010.5)

○ホンモノの「日本図書館学会」と「日本図書館研究会」(あったかもしれない大東亜図書館学;1) / 書物蔵 ※日本主義図書館学を鼓吹した元祖「日本図書館学会」が戦後日本に遺した唯一の影響とは!? 昭和18.8.7(土)の午後3時すぎ、安堂寺橋通り御堂筋角の間宮商店2Fで何が話しあわれたのか???

■とりあえず以上

*1:薬袋先生のいう、戦後図書館運動の真のリーダー( ≧∇≦)ノ