書物蔵

古本オモシロガリズム

満洲の沃野?(満洲の沃野に読書はあったか)

家人がビデオに録っていた『満蒙開拓団はこうして送られた:眠っていた関東軍将校の資料(NHKスペシャル)』を見る。
満蒙開拓を発案した東宮鐵男 (1892-1937) ‖トウミヤ,カネオが残していた日記をもとにした番組。
永田稠 (1881-1973) ‖ナガタ,シゲシのことが気にかかった。

衛生施設を準備してからにしろ,とか,(すでにいる)現地人をどかして開拓するのは匪賊を増やすだけであるとか,それは満洲国の理念にそもそも反することにならないか,とかとか

いろいろ批判をして東宮と論争する(南米)移民専門家。
東宮の反論は,

満洲は南米ではないし,そもそも国策を批判するとは国賊

というもの。

永田をほめるのはよいが,東宮を非難する資格がある人間はどれだけいる!

なんか,なつかしーくなったよ。
わちきも,もう何年も前になるけれど,ある事業の検討会でいろいろ合理的なことを申し上げたことがあったなー,と。
1人を除き検討員全員がその方向になびいたのに!結論は逆さに! その1人が座長だったから(・o・;)
結局,座長の方向で事業はすすみ,最初のボタンのかけちがいが後々まで尾をひいてたようですが(・∀・)
いまも,あの時,妥当な結論でやってれば… と思うことしきり。
日本人は,当時も今もぜんぜん変わってないのだよ。
いま永田を褒めることはできても,東宮を非難する資格は,ふつーの日本人には,ないぞよ。

運動はよい。しかし技術的な問題でウソはいかん。それは理念にも反するのでは。

と,わちきも言ったよね。(運動=闘病記文庫,技術的問題=従来の目録で検索可能かどうか,理念=財政民主主義や知的自由や司書職倫理。ほれ,ぜんぜん代わっとらん。)
あの時,加勢してくれたのはごく一部のインテリだけだったのう…(いや,ほんとオモシロ声援であった…)
主日本だろうが満洲国だろうが大日本帝国だろうが,文化の型は変わらんよ。

話をもどして…

そういえば,おとといご教授された資料に,中田邦造が加藤完治 (1884-1967) ‖カトウ,カンジ に会った話がでてきたなぁ…
さらに思い出したのは,かなりまえ100円ぐらいで拾った中公新書も,なんか妙に高い(2千円ぐらい?)みたい
満蒙開拓青少年義勇軍 / 上笙一郎. -- 中央公論社, 1973. -- (中公新書)
わちきにとって歴史は常に現代史なのじゃ。
歴史の森にわけ入らん。