書物蔵

古本オモシロガリズム

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! 開拓団で読書!(満洲の沃野に読書はあったか)

満読、満読、といい条、満洲の「現場」の話ってじつはよくわからんのじゃ。それこそ当時の図書館雑誌に少し載ったものぐらい。
ということで、非常にめずらしいある開拓団のお話を。

 娯楽とては特になかったが、(略)
 団本部では団員の教養を高めるために「巡回文庫」というものをつくり巡回した。これは東京の堀内庸村氏、衛藤奉天図書館長等が主唱して、内地と満洲から図書を開拓地に送り込むことを行った。一燈文庫運動と称して、よく選定したすぐれた本を寄付してもらったのである。小説や娯楽ものにのみ偏らない、文学、宗教、科学、歴史というように広く教養を高めるものをえらんで送ってくれた。団では部落に一箱宛になる数の箱をつくり、麻縄で背負える様にして、部落から部落へと順繰りに一定の日数をきめて送り廻す仕組である。背負式移動図書館といい得よう。(p.158)

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! 堀内さんに、衛藤利夫!!!

画像を追記(10/21)

ある写真見て,

わちき:この,中田邦造のとなりに座ってんの衛藤利夫じゃないの?!
友人A:早計は禁物。たしか『韃靼』に肖像があったのでは?

ということで『韃靼』(1956)(の二刷1958)の巻頭より。
あのさあのさ。
堀内と衛藤のつながりを記述するこの文献が図書館史の文脈から言及されるのは,この世でこれが最初だと思うよ。
え? 最初の写真はどうしたってか(・∀・)
そりゃーもちろん,じっくりじくじくミターですよ。
こりゃー確かに衛藤利夫だわん。大東亜図書館学を象徴する決定的瞬間が一枚の写真に!
などと,おちゃらけ研究が,オオゴトになってきた(・o・;) いやマジで

追記(10/21)「一燈文庫」

満洲開拓読書協会沿革(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20060705/p1)に,中田の記述をもとにちょっとだけ書いたごとく,「一燈文庫」運動が,じつは,「(社)在満同胞図書群読書協会(仮称)」もとい「(財)満洲開拓読書協会」の起源,きっかけにあたるという点で重要なのだ。
あわてて『韃靼』をみるも「一燈文庫」についての記述はなし(「満洲読書協会」の理事になったという記述はあり)。
東方文化事業』にもないなぁ。
とすると,この本はめずらしい歴史の証言者ということに。