書物蔵

古本オモシロガリズム

日本一の図書館員になるには

清すぎて正しすぎる館界に商社マン

産経新聞(2006.7.24)に、「“日本1の図書館員”かもしれない」と書かれた常世田良(とこよだ・りょう)さん。
1950年東京うまれ。1983年に浦安市立へ。1996-2004館長。いまはニットキョウ理事とのこと。

大学を出てから3年半、商社マンとして働いた。(略)30歳で会社を辞め、都内の4自治体、5つの図書館でアルバイトの“武者修行”

(・o・;)すごいね。
でも、商社マンをリクルートしてくれば有能な図書館員がほんとうにできるんなら、library school出身の枠なんか廃止して、かわりに「商社マン枠」を制度化したほうがいい。
商社ってのは激務なだけじゃなくて,いろいろと脱法的なこともやっているよう。いわゆる清濁併せ呑むって感じかしら。
清すぎて正しすぎる館界では頭ひとつ出るかもね(゚〜゚ ) 清く正しいことだけ吐いてりゃすんじゃうスタッフやヒラとちがって,ラインはウソついたり叱ったり怒ったり,ヒトのいやがることせにゃならん。
多弁でちょっと不思議なおにいちゃんが日本一になるとは…( ゚_゚)遠い目

なるには≠キャリアパス

純粋マッスグ君たちが誤解してんのは、「キャリアパス」という語の本来の意味。
偉くなった人、立派になった人のそれまでを、「後から」「遡って」調べてみて、見えてくるのがキャリア・パスとかキャリア・ツリーとかいわれるもの。
いま,これから,みんなが,たどることができる道…
なんかじゃぜんぜんないのだ。たとえば、上記のキャリア・パス(商社マン→日本一図書館長)が現象としてあるとしても(かなりアヤシイが)、現在ただいま公務員司書をやってるフツーの人は日本一にはほぼまったくなれない、ってことだわい。
だれでもその道(path)を踏めるもんじゃないよ。天性と努力と、そして運がないとね。
とくに日本のお役所の場合,入省・入庁して最初のポジションが良くないともうダメ。ってのは『日本の行政』(中公新書)に書いてあるから公務員なら知ってるか。え? 知らなかった?
わちきとしては、ラインの人とスタッフの人にわけて、天性も運もなく、ちょっとばかり努力ができるだけのフツーの人は、スタッフで地道にやったほうがいいと思うのだ。
常世田さんも,ラインとしてのキャリアパスを踏んだと考えればいい。

フツー人にスタッフのススメ

まあ日本の場合、畏友が言ってたように,「スタッフはただのヒラ」であることがほとんどなんだけどね。
ただ,幸か不幸か,

図書館界の場合,業界全体が日本の社会ンなかでスタッフ(端っこ,かつエラくない)

なんで,怪我の功名なんだけど,スタッフ職が機能する余地がある。だから地道に仕事に取り組むのもあながち悪くない。もちろんこれは,ラインとしてのキャリアパスも踏んどらんのに,なんの専門ももたず派手に立ち回りたがる人々に対する嫌味なんだけど(・∀・) こーゆー手合いはラインでもスタッフでもない「騒ぎ屋」と呼んであげよう。メルクマールはレファレンスのいいかげんな論文ね。
と,スタッフのススメをあおっておいて…